生まれつき滅びの術を使える私は幼い頃から皆に気味悪がられていましたが……?

四季

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前編

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 生まれつき滅びの術を使える私は幼い頃から皆に気味悪がられていたけれど、正直なところを言うなら私はその力を憎んではいない。

「どうして虐めるの」
「はぁ~? 何よぉ、急に」

 その力、その才能、それは私に良いことも悪いことももたらしてきた。

「私、何かしたかしら」
「したわよ!」
「うそ。そうなの? じゃあ、私が一体何をしたというの? 心当たりがないわ」
「うざいのよあんた! 学園の王子様から惚れられて!」
「惚れられ……?」
「そうよ! あんたほんと嫌い! 皆の憧れの人でもあるイケメンに好かれるなんてっ」

 でも、大抵は、良い方向に力を貸してくれていたと感じる。

「メントロポタ・アンドロモス・ルフィトラカス・リポートデネ・メントロポタ・アンディスモス・ルフィトラカス・スィートロデネ」

 この術があったからこそ。

「え――って、ぎゃああああ!! 爪、爪がッ……いやああああああ!!」

 私は多くの悪意から護られてきた。

 ――ある時は虐めてくるクラスメイトに滅びをもたらし。
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