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前編
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「君は僕の運命の人だよ!!」
私は今まさにきらめきをまとった美青年から想いを告げられている。
――何があったのか?
つい先ほど、私は、実家のある町にて風船が木々の隙間に挟まってしまって困っている青年を発見した。そこで私は少しだけ木に登って風船を取ってあげた。
するとこうなってしまったのだ。
「女性なのにあそこまで華麗に木に登るなんて、女神さまだよ!!」
私は昔から女にしては運動神経が良かった。また、身体を動かすことが好きで、女性たちからは「もっとお淑やかになさい」「女性らしくないわよ」などと注意されてしまうこともあるほどであった。
かつて婚約していた彼ゴーリオから婚約破棄を告げられてしまったのもまたそれが理由であった。
彼から婚約破棄を告げられたあの時は酷かった。
もう驚くくらい、不思議なくらい、ボロクソに言われてしまっていた。
お前はゴリラだ、とか。
お前みたいなやつ女どころか人間とも思えねぇ、とか。
ゴーリオからはとんでもない言葉を並べられてしまった。
「結婚してください!!」
「えええ……」
「嫌ですか?」
「そりゃあそうですよ、いきなりですもん。初対面で結婚、それはさすがにちょっと……戸惑わざるを得ません」
そんな心ない言葉を投げつけて婚約破棄したゴーリオは――見た目淑女なヤンデレ女性と結婚してしまい、今は狂気的なほどに束縛され、自由を失って――好きなことは何もできない、酷い目に遭っているそうだが。
私は今まさにきらめきをまとった美青年から想いを告げられている。
――何があったのか?
つい先ほど、私は、実家のある町にて風船が木々の隙間に挟まってしまって困っている青年を発見した。そこで私は少しだけ木に登って風船を取ってあげた。
するとこうなってしまったのだ。
「女性なのにあそこまで華麗に木に登るなんて、女神さまだよ!!」
私は昔から女にしては運動神経が良かった。また、身体を動かすことが好きで、女性たちからは「もっとお淑やかになさい」「女性らしくないわよ」などと注意されてしまうこともあるほどであった。
かつて婚約していた彼ゴーリオから婚約破棄を告げられてしまったのもまたそれが理由であった。
彼から婚約破棄を告げられたあの時は酷かった。
もう驚くくらい、不思議なくらい、ボロクソに言われてしまっていた。
お前はゴリラだ、とか。
お前みたいなやつ女どころか人間とも思えねぇ、とか。
ゴーリオからはとんでもない言葉を並べられてしまった。
「結婚してください!!」
「えええ……」
「嫌ですか?」
「そりゃあそうですよ、いきなりですもん。初対面で結婚、それはさすがにちょっと……戸惑わざるを得ません」
そんな心ない言葉を投げつけて婚約破棄したゴーリオは――見た目淑女なヤンデレ女性と結婚してしまい、今は狂気的なほどに束縛され、自由を失って――好きなことは何もできない、酷い目に遭っているそうだが。
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