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後編
しおりを挟む「あ、や、そうですよね……急過ぎますよね、すみません……」
「一旦落ち着かれてください」
「はい、はい、そうですよね」
「お願いします」
風船を大事そうに持っている彼はルクセオールと名乗った。
「けど! 燃え盛るこの想いはもう消すことなどできません! どうか、仲良しになってくださいッ!!」
こうして私はルクセオールと関わるようになっていったのであった。
◆
あれから数年、私とルクセオールは夫婦となった。
結婚式では多くの人たちから祝福を受けた。
私たちは最大の幸福の中で新たな一歩を踏み出すこととなったのである。
「これからは貴女を徹底的に支えていきますよ!」
「ちょっと力入り過ぎじゃない?」
式の後、彼は妙に力んでいて。
「いやいや! このくらいの気合い! で! なければ、ですね!」
「ええー……」
けれども、そんなところも含めて可愛いと感じられる。
自分の心に素直であれること。
どんな時も全力投球して生きられていること。
それこそがルクセオールの大きな魅力の一つだろうと思う。
そうそう、そういえば――ゴーリオは妻から異常なまでに執着され束縛され続けたために心を病んでしまったそうだ。
彼はもうほぼ寝たきりのような状態だとか。
以前の彼はもういないも同然。
そして彼が歩む道の先には明るい未来は存在しない。
◆終わり◆
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