魚人族の姫は人間の王子に婚約破棄され!? ~戦いの果て、見つかった穏やかな幸せ~

四季

文字の大きさ
1 / 2

前編

しおりを挟む

 魚人族の姫オポフィリアは人間の王子エルビンと婚約した。

 ある時人間に興味を持ったオポフィリアが海岸にまで人間の様子を見に行っていて、その時エルビンがたまたま通りかかって、そこで二人は初めて互いの姿を目にした。

 そしてほぼ同時にお互いに惚れた。

 オポフィリアは人離れした幻想的で美しい容姿の持ち主だ。
 魚人族だからこそ。
 人にはない輝かしさを持っている。

 肌は滑らか、爪はうろこのように煌めいていて、長いやや波打った髪はパステルブルーからパステルピンクのグラデーションでところどころに貝殻がついて陽の光を浴びると輝く。また、瞳は華やかなブルーで、睫毛は化粧などしていなくともとても長い。

 そんなオポフィリアだから惚れられないわけがなかった。

 そうして出会ったオポフィリアとエルビンは惹かれ合っていたのだが――ある時エルビンが王妃の派閥の者たちから精神干渉の術をかけられてしまって。

「オポフィリア、お前のようなやつとは生きていけない! よって、婚約は破棄とする!!」

 エルビンの心は術によって完全に変わってしまった。

「そんな……エルビン様……どうして……?」
「お前は魚人族、つまり、人でない者だ。化け物だ。たとえどんな美しくとも、化け物と共に生きてゆくことはできない」
「でもっ……生きていこうと言ってくださったではないですか……」
「ああそれは気の迷いだろう」
「え……」
「なぜそんなことを言ったのか、自分でもよく分からないな」

 オポフィリアに向けられる視線は冷ややかだった。

「とっとと消えろ、オポフィリア」
「待ってください……! どうか、話を聞いて……!」
「この女を追い出せ!!」
「お願い、話を――って、きゃっ! ま、待って、お願いします、エルビン様……」

 オポフィリアは城から強制的に追い出された。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

不実なあなたに感謝を

黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。 ※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。 ※曖昧設定。 ※一旦完結。 ※性描写は匂わせ程度。 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。

明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

婚約破棄して支援は継続? 無理ですよ

四季
恋愛
領地持ちかつ長い歴史を持つ家の一人娘であるコルネリア・ガレットは、婚約者レインに呼び出されて……。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

処理中です...