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2話
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私は城から追い出されてしまったけれど、その後実家へ戻り穏やかな生活を手に入れた。
少々田舎のような地域だが、毎日はとても楽しい。
のんびりしている父、色々器用にこなす母、そして昔から可愛がってくれてきた地域の人たち――そういった人々と過ごせる時間の愛おしさを、今は以前よりも強く感じている。
一度離れたからこそ感じられる地元愛。
そういう意味ではビオスのもとで過ごした日々も無駄ではなかったのかもしれない。
ふわりと風が吹くこと、柔らかな草木の匂いが漂うこと、そして心地よい空気に満たされた空間で誰かと共に笑い合えること――そういった細やかなことから幸福感を感じられるのは色々経験してきたからこそだ。
◆
私が城を離れた後、王都には災難がやたらと降りかかるようになっていった。
ある時は自然災害が起き。
ある時は殺人事件が多発し。
そんな風な様々な災難に見舞われて、王都は徐々に物騒な地区へと変わっていった。
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