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呪われの王子を護るため婚約したのですが、どうやら彼は護りの聖女を捨てたいようで……?
ー後編ー
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取り敢えず会場から出ていくことになった。
でもその時はそれで良かった。
だってもうこれ以上嫌な思いはしたくないから。
何でもいいから一旦彼らから離れたかった。
「酷いわね、あの人……エリミーレさまはまともなお方なのに」
「絶対あの女がやってるっしょ」
「恐ろしいですわね。あれほどまでの執念。婚約者さまを悪女に仕立て上げるなんて最低の行為ですわ」
周囲の人たちには私の味方をしてくれている人も多くいた。
知り合いではなかったけれど。
喋りかけてくるわけでもなかったけれど。
ただ、こんな時でも正しい見方と判断をしてくれている人もいるのだと分かったので、そういった類のひそひそ話にはかなり救われた。
婚約破棄から三日が経った日、ディアが事故に遭ったという情報が飛び込んできた。
地方視察のため乗り込んだ馬車が王都から出る前に馬車数台とぶつかってしまったのだそうだ。
しかもかなり大きめの事故で。
負傷者が十人以上出てしまい、死者まで発生してしまい、王子である彼も骨折一歩手前の状態になるなど怪我してしまったそうである。
ディアは近くの病院へ搬送された。
しかし今度はその病院の床が突如抜けるという意味不明な事件が起こる。
病院から複数の死者が出てしまうというさらなる悲劇が起こってしまった。
ディアはまた別の病院へ送られ、ようやく治療を受けることができたようだが、そこではスタッフからかなり酷い虐めを受けることとなり。高貴な人でありながら一般人以下の扱いを受けることとなってしまったようだった。
それによってディアは心を病んだ。
退院後、王城へ戻ったディアだったが、心の傷が癒えることはなかった。毎晩悪夢にうなされろくに眠れないディアは日中もうとうとしていることが多く、また、眠気から不機嫌になり周囲に当たり散らすことも増えたようで。その結果城で働く人たちからも嫌われてしまい、無視や悪口など色々な嫌がらせを受けることとなっていったらしい。
そこから段々無気力になっていくディア。
彼の両親は聖女であると言っているティリアに「息子を救ってほしい」と頼んだようだが、その時のティリアは既に他の男性に目を向けていたので「婚約してるんだからいいじゃない! それ以上求めるとかホントやめて!」とだけ返したそうだ。
ある時、困りきったディアの両親は私に対しても「戻ってきてほしい」と頼んできたけれど、あの一件の際激怒していた父ははっきりと断った。
私を捨て、ティリアに見捨てられ、ディアは孤独の人となった。
彼を愛する者はいない。
彼を救う者もいない。
そして彼が愛した人はとうに別の男のところへ行った。
……この世のすべてに絶望したディアはやがて自ら死を選んだようだ。
思わぬ形で息子を失うこととなってしまった国王夫妻はティリアに怒りの矛先を向ける。
王妃の命令は「ティリアを捕らえろ」というもので。
部下らはそれを忠実にこなし。
その結果ティリアは縄で縛られ王城地下の牢屋に押し込まれることとなった。
正気を失っていた王妃は毎日のようにティリアのもとへ行き罵声を浴びせ続けていたそうだが……そのあたりについての詳しい話はあまり知らない。
ただ、ティリアは最終的には処刑されたようだった。
ちなみに、彼女が『護りの聖女』である、という話は……やはり嘘だったようである。
彼女は口だけの偽りの聖女だったようだ。
……まぁ、予想通りか。
いずれにせよ王子ディアと悪女ティリアは共に滅んだ。
私を傷つけた者たちは消えた。
もう何一つ恐れることはない。
ここからまた新しい人生という道を歩んでいこうと思う。
その後、私は隣国の王子と結ばれた。
出会いはちょっとしたことだった。
けれどもその瞬間から二人の物語は確かに幕開けたのだった。
そうして気づけば夫婦になっていた。
これからずっと手を取り合って。
どんなことがあったとしても乗り越えて進んでいきたい。
また、他国の人間を温かく受け入れ迎えてくれた人々には深く感謝している。
◆終わり◆
でもその時はそれで良かった。
だってもうこれ以上嫌な思いはしたくないから。
何でもいいから一旦彼らから離れたかった。
「酷いわね、あの人……エリミーレさまはまともなお方なのに」
「絶対あの女がやってるっしょ」
「恐ろしいですわね。あれほどまでの執念。婚約者さまを悪女に仕立て上げるなんて最低の行為ですわ」
周囲の人たちには私の味方をしてくれている人も多くいた。
知り合いではなかったけれど。
喋りかけてくるわけでもなかったけれど。
ただ、こんな時でも正しい見方と判断をしてくれている人もいるのだと分かったので、そういった類のひそひそ話にはかなり救われた。
婚約破棄から三日が経った日、ディアが事故に遭ったという情報が飛び込んできた。
地方視察のため乗り込んだ馬車が王都から出る前に馬車数台とぶつかってしまったのだそうだ。
しかもかなり大きめの事故で。
負傷者が十人以上出てしまい、死者まで発生してしまい、王子である彼も骨折一歩手前の状態になるなど怪我してしまったそうである。
ディアは近くの病院へ搬送された。
しかし今度はその病院の床が突如抜けるという意味不明な事件が起こる。
病院から複数の死者が出てしまうというさらなる悲劇が起こってしまった。
ディアはまた別の病院へ送られ、ようやく治療を受けることができたようだが、そこではスタッフからかなり酷い虐めを受けることとなり。高貴な人でありながら一般人以下の扱いを受けることとなってしまったようだった。
それによってディアは心を病んだ。
退院後、王城へ戻ったディアだったが、心の傷が癒えることはなかった。毎晩悪夢にうなされろくに眠れないディアは日中もうとうとしていることが多く、また、眠気から不機嫌になり周囲に当たり散らすことも増えたようで。その結果城で働く人たちからも嫌われてしまい、無視や悪口など色々な嫌がらせを受けることとなっていったらしい。
そこから段々無気力になっていくディア。
彼の両親は聖女であると言っているティリアに「息子を救ってほしい」と頼んだようだが、その時のティリアは既に他の男性に目を向けていたので「婚約してるんだからいいじゃない! それ以上求めるとかホントやめて!」とだけ返したそうだ。
ある時、困りきったディアの両親は私に対しても「戻ってきてほしい」と頼んできたけれど、あの一件の際激怒していた父ははっきりと断った。
私を捨て、ティリアに見捨てられ、ディアは孤独の人となった。
彼を愛する者はいない。
彼を救う者もいない。
そして彼が愛した人はとうに別の男のところへ行った。
……この世のすべてに絶望したディアはやがて自ら死を選んだようだ。
思わぬ形で息子を失うこととなってしまった国王夫妻はティリアに怒りの矛先を向ける。
王妃の命令は「ティリアを捕らえろ」というもので。
部下らはそれを忠実にこなし。
その結果ティリアは縄で縛られ王城地下の牢屋に押し込まれることとなった。
正気を失っていた王妃は毎日のようにティリアのもとへ行き罵声を浴びせ続けていたそうだが……そのあたりについての詳しい話はあまり知らない。
ただ、ティリアは最終的には処刑されたようだった。
ちなみに、彼女が『護りの聖女』である、という話は……やはり嘘だったようである。
彼女は口だけの偽りの聖女だったようだ。
……まぁ、予想通りか。
いずれにせよ王子ディアと悪女ティリアは共に滅んだ。
私を傷つけた者たちは消えた。
もう何一つ恐れることはない。
ここからまた新しい人生という道を歩んでいこうと思う。
その後、私は隣国の王子と結ばれた。
出会いはちょっとしたことだった。
けれどもその瞬間から二人の物語は確かに幕開けたのだった。
そうして気づけば夫婦になっていた。
これからずっと手を取り合って。
どんなことがあったとしても乗り越えて進んでいきたい。
また、他国の人間を温かく受け入れ迎えてくれた人々には深く感謝している。
◆終わり◆
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