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後編
しおりを挟む――その結果、あの女性は飲み屋でいろんな男性の相手をしている女性であることが判明した。
オルガン自身も飲み屋にて知り合ったそうだ。
彼女が良いものを身につけていたのは、仕事で相手した男性から色々贈ってもらっていたからのようだ。
「婚約……破棄させてください。僕は彼女を……愛してしまっています」
「正直だな」
言葉を交わすのは、オルガンと私の父。
「分かった、では、婚約は破棄ということで」
「あ、ありがとうございます……!」
「ただし、オルガンには、一生稼ぎの半分を娘のところに入れてもらう」
「ええっ!?」
「それが婚約破棄の条件だ」
「そんな……」
「我が娘に迷惑をかけておいてただで解決できると思うな」
「……はい、分かりました」
こうしてオルガンは一緒に私にお金を入れることとなった。
彼はそれでも愛を選んだのだ。
それもまた彼の選択、それも一つの人生だろう。
――だが、そこまでしてあの女性との道を選んだオルガンも、数ヶ月であの女性と破局してしまったようで。
結局彼のもとには何も残らなかったようだ。
ちなみにあの女性も、オルガンと別れて少しして異性関係で揉めて殺害されてしまったそうだ。
一方私はというと、あの後少しして求婚してきた元騎士で現在は高級冒険者をしている青年と結婚した。
オルガンがどうなったかは知らないけれど。
そんなことはもうどうでもいい。
私が行くのは私の道、だから彼のことなんて気にはならない。
彼は生涯金だけを捧げれば良いのだ。
◆終わり◆
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