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後編
しおりを挟む姫の婚約者になれたのがそんなに嬉しかったのだろうか。
でも、いずれにせよ、私への愛があったわけではないことは確かだ。
彼が求めていたのも、彼が手に入れられて喜んでいたのも、私ではなく私の姫という地位だったのだろう。
「良かったわねぇ、あの人、いなくなって」
「それよね」
「姫様に威張られるならまだしも、姫様の婚約者になっただけの男に威張られるなんてね。ほんと、あり得ないわ」
後に侍女らがそんな話をしているのを聞いた。
その時は彼女らに対して非常に申し訳なく思った。
侍女たちにも迷惑をかけていたなんて、と。
やはりもう少し慎重に相手を選ばなくてはならない、と思った。
ちなみに、彼が勝手に重ねていた借金の返済は彼の両親と親戚に義務があるものと定められた。
――その後二年ほどが経って、私は自国で一番儲かっている企業の社長の息子と結ばれた。
彼は少々おっとりした人だが包容力があって何事にも寛容な人だ。
そんな彼のことを私は愛している。
そして彼も私のことを好いていると言葉で表現してくれている。
彼と共に、未来へと歩もう。
今は迷いなくそう思っている。
◆終わり◆
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