風が吹いたら、貴女に会いに行きますね――って、本当に来るんですかッ!? ~婚約破棄されたばかりの私の前に現れたのは~

四季

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後編

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「貴女が泣いている時や辛い時こそ、貴女の傍にいたいのです」
「えええ……ほ、本気ですか……? というか、本当に風……? 魔法使いとかじゃなく……?」
「ええ。風ですよ、あの時の」
「こんなところで再会するなんて思いませんでした」

 青い髪の彼はふっと笑みをこぼす。

「それは、貴女が悲しんでいたからですよ」

 いや待って何それ!? どういうこと!? 何がどうなっているんだ……いや、そもそも、これは本当に現実なのか……。理解が、理解が追いつかない。本当に、あの時の風が、私の会いに来た? でも、どうして? 彼が本当に風だとしても、どうしてそんなことをする必要がある? 私なんかのためにわざわざ……。

「本当に……それだけの理由ですか?」
「もちろん!」

 しかし、この風とやら、実に厄介で。

「貴女についていきますよ! 貴女が笑っていられるように! これからはずっと!」
「困ります」
「いやいや、貴女の意見なんて関係ないんです」
「ええ……」
「貴女を励まして生きる、それが我が人生ですから!」
「は、はぁ……」

 何かとついてまわってくる。
 少しも離れてくれない。

「あ、見られたらまずい時は風に戻りますので! ご安心を!」
「もう何でもありですね」
「そうですね! だって、風、ですから!」

 ――こうしてまた始まってゆく、新しい物語が。


◆終わり◆
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感想 1

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みんなの感想(1件)

まこ
2023.03.31 まこ

風??面白そうですね。しかもめっちゃ読みやすい文章で引き込まれるし。続きを楽しみにしています

2023.03.31 四季

ありがとうございます!
励みになります!m(_ _)m

解除

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