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後編
しおりを挟む「ほ、本気で言って……!?」
「ええ」
「ふざけるな! ふざけるなふざけるな、ふざけるなあああああああ!!」
急に襲いかかってくるビフェロガート。
私は素早く部屋から逃げ出した。
ここから元の関係に戻ることはできないだろう。
すべてを終わらせる覚悟をしたようなものだ、ここまでなってしまった。
でももういい。
心ない言葉に苦しまされ続けるくらいなら、彼の婚約者なんてやめてやる。
その後私は実家へ帰り、それから、ビフェロガートの悪行について複数の新聞社に流した。
それによりビフェロガートが暴かれてゆくこととなり――やがて彼の悪しき行いの多くが明るみに出ることとなって、彼の民からの評価は大幅に下がることとなった。
その後ビフェロガートは逮捕された。
それと同時に婚約は破棄に。
だがそれは仕方ないことだ。
罪人として牢屋送りになった人との婚約を継続することなどこの国においては不可能なのだから。
それからのビフェロガートの人生は生きている虚しさをとことん感じるようなものだったよう。でもそれを聞いても可哀想とはちっとも思わなかった。むしろざまぁみろと思うくらい。だって彼はこれまでずっと私を傷つけ続けてきたのだ、一度くらい自分が痛い目に遭えばいい。
王子ビフェロガートの評判は地に堕ちた。
民に尊敬される彼は、もういない。
◆
ビフェロガートと終わってから数年、私は、私のことを心の底から愛してくれる真っ直ぐで純真な青年と巡り会えた。
そして結婚に至った。
私たちは共に歩むことを決意した。
でもきっと大丈夫。
だって彼は心ない言葉を発したりはしないから。
彼となら光ある未来へ歩んでゆけるだろう。
◆終わり◆
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