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1話「穏やかな令嬢だったルルネリア」
しおりを挟むルルネリアは裕福な家の生まれの穏やかな令嬢であった。
善良で、心優しく美しい、そんなだから周囲からの評判も良く。
皆から愛されて育った。
けれども婚約者となった青年アボデストとは相性が悪くて。
ルルネリアは失礼なことは何もしていないというのに、アボデストは彼女を嫌っていた。
そして、ついに。
「ルルネリア! お前との婚約は破棄する!」
耐え切れなくなったアボデストはそう宣言した。
「婚約破棄……どうしてですか、そのようなこと」
「何を言う! お前みたいな女は大嫌いなんだ! 美人だからって調子に乗るなよ。すべての男がお前に惚れるわけではない! それを理解しろよな、愚かな女!」
「お待ちください、私はそのようなつもりは……」
「黙れ! そしてさっさと出ていけ! 二度と俺の目の前に現れるな!!」
こうして切り捨てられたルルネリアは、悲しみの海に沈み、その日の晩に自ら死を選んだ。
◆
「ここは、一体……」
気がついた時、ルルネリアは、知らない真っ白な場所にいた。
『ルルネリア、貴女に真実をお見せしましょう』
ルルネリアの前に現れたのは一人の女性。
女神という言葉が似合うような容姿の人物。
「しん、じつ……?」
『えぇそうです。アボデストがなぜ貴女にあんなことを言ったのか、真実を知れば分かるでしょう』
「……はい、お願いします、私もよく分かっていないのです」
『ではこちらを見てください』
そうしてルルネリアが見たのは、他の女といちゃつくアボデストの姿だった。
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