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後編
しおりを挟む「そっか。彼女はそういう人だったんだね」
「そうなんですよ、すみません、何というか……恥ずかしいし、申し訳ないです」
「でもさ、そんな人となら縁を切ってしまえば?」
そう言われたら、諦めていた心が蘇ってくる。
プレリアと離れたい。
そういう心。
いちいちややこしい人とは離れたいものなのだけれど、これまでなかなか上手くいかなかった。でも、いつかは離れるべきだろう。生涯に毒を注入するような人とずっと関わりを持っていては絶対に被害を受けるから。
「昔からの付き合いだからなかなか離れられなくって」
「はっきり切るといいよ」
「そう、ですよね……ありがとうございます。そうしてみようと思います」
ドルタムに言われて、心を決める。
「そうそう! その方がいいよ」
「頑張ってみますね」
私はプレリアのところへ言って縁を切ることを告げた。
「ごめん、もう関わらない」
「ええー? どうしてぇ!?」
「縁は切るから。さよなら、プレリア」
――その後。
私はドルタムと結ばれ、幸せになれた。
彼との関係は刺激的なものではない。特別なものではないし、ロマンチックな要素もない。ただ、そこには、ほっとできるような温もりがある。ドルタムといて良いと思うところは、安心して過ごせる、というところだ。
そうそう、そういえば、プレリアはあの後婚約者ウォッカから婚約の破棄を告げられてしまったそうだ。
というのも、ドルタムに手を出そうとしていた間ウォッカをずっと放置していたようで、それによって彼を怒らせてしまっていたようだ。
ずっと放置して、結婚する気がない。
ウォッカはそう判断したようで。
それによって関係の解消を宣言されたようだった。
ま、自業自得だ。
プレリアは他人の相手に手を出していないで自分の相手と向き合うべきだったのだ。
そうしていれば婚約破棄になんてならなかっただろう。
ただ、驚いたのが、プレリアは婚約破棄された数日後にウォッカを殺めてしまったそうなのだ。
返却物を渡そうとしたというていで家に押し入って、刃物で刺したらしい。
ああ、恐ろしい……。
◆終わり◆
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