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2話
しおりを挟む「痛みが減ってきたなら良かったわ」
刹那、男の子の小さな身体が黄金の光に包まれる、そして――やがて幼い男児だったものは黄金のうろこを持つ龍へと姿を変えた。
『お主は偉い』
「え……」
『無関係な男児を励ますその心は偉大だ』
「え、え、えええ!?」
無人の公園に私の叫び声だけが響く。
「え、ど、どうして……りゅ、龍!? 男の子だったのでは……」
『お主を試していたのだ』
「そうだったのですか!?」
『良き行いをしたお主にはこれから褒美を与えよう。案ずるな、お主にはこれから良いことが次々に起こる。それを思う存分楽しむがいい』
そこまで言って、龍は消えた。
何だったのだろう……? なんて思いつつ、公園を後にしたのだった。
◆
翌朝。
父が先日たまたま遊びで二枚だけ買っていた宝くじの一枚が一等当選していたことが判明した。
それによってとんでもない額が飛び込んできた。
そしてその日の昼下がり、母が営んでいる服屋に有名デザイナーからコラボレーションしたいという申し出があり、前代未聞の新しい巨大プロジェクトが動き始める。
しかもそのプロジェクトのリーダーは母である。
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