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3話
しおりを挟むさらに、それから数日が経ったある快晴の日の朝、私のもとへ一通の手紙が届いた。差し出し人は母の服屋の取引先である大会社の社長の息子であり、その内容は私との婚約を希望したいというようなものであった。
私の人生、我が家の運命、それらは突然大きく変わり始めた。
◆
婚約破棄された日から今日でちょうどニ年半になる。
私は今、大会社の社長の子息と結婚し、第一子にも恵まれ――そうやって忙しくも嬉しさもある幸せな日々の中に在る。
ここへ来るまで様々なものが変わってきた。
でもそれは大抵が良い変化で。
だから挫けることなく多少苦労してもそれでも歩いてこられたのだ。
ちなみに元婚約者の彼はもう生きてはいないようだ。
というのも、彼はあの後できた恋人に感化されて反政府運動に参加するようになり拘束され獄中で死亡してしまったそうなのである。
噂によれば、かなり過激な行動にも参加していたとのこと。
そういうことなら拘束されてしまうのは運命だったのだろう。
意見を言うことは大事だ。でも暴力で意見を通そうとしてはならない。それは権力者だろうが一般人だろうが同じこと。権力者がやるよりかはまだ力なき者がやる方がましかもしれないが。ただ、誰であろうと、暴力で意見を無理矢理通そうとするのは望ましいことではない。
◆終わり◆
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