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後編

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 ◆


 リクレートとの終わりから数年、私は、親戚のおじさんが紹介してくれたことからこの国の王子と知り合った。

 彼は国王と王妃の第二子だが、第一子は女性のため、実質王位を継ぐ立場の者である。

 そんなこともあって最初は「私などでは彼の相手は務まらない」と思っていた。だが彼は私をかなり気に入ってくれたようで、驚くくらい追いかけ回されてしまって。で、そのうちに、逃げられない状況に陥っていて。私はついに観念し、彼と生きようと覚悟を決めた。

 観念し、と言っても、もちろん彼のことが嫌だったというわけではない。彼を受け入れられないとか愛せないとか、そういう理由で彼を拒否していたわけではない。単に、私ではつり合わない、と思ったのである。

 でも私は彼と結ばれたことで幸せになれた。

 これからもきっとたくさんの幸福があるだろう。
 もちろん苦労もあるだろうけど。
 でもそれも乗り越えて生きていけると今は信じている。


 ◆


 ちなみにリクレートは、私が王子の妻となることが決まったと知るとすぐに私のところへやって来た。姉たちと共に。そして、私の悪口を言いふらし始めた。もちろん嘘の話である。

 私はそのことを王子に相談した。
 すると彼は「力を貸します」と言ってくれた。

 その後、私を侮辱する行為を積極的に繰り返していたリクレートと姉四人は王家直属の治安維持隊に拘束され汚い牢に入れられた。

 また、それらの行動に間接的に関わっていた姉二人と妹二人も、後に罪人となった。

 一番下の妹だけは、三歳ということもあって、罪人にはならなかった。

 その後、リクレートは強制労働の刑に処され、一番酷い暴言のようなことを吐き散らしていた長女は処刑となり、それ以外の姉三人は闇商人へ売り飛ばされて遊びのための女性となった。そして、少し罪が軽かった姉二人と妹二人は、長期にわたる兵たちへの労働で償う形となった。


◆終わり◆
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