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2話
しおりを挟む「先ほど怒鳴られていましたよね」
「あ……あ、あはは、すみません恥ずかしいです」
「酷すぎますよ、ああいうのは」
「はい……でももういいんです、あの人とはもう二度と会いませんから」
目の前の彼が誰だったか懸命に思い出そうとして、でも、どうしてかはっきりとは思い出せない。
「本当にそうなのですか?」
「……はい」
「良いのですか? このままで」
「え、それって、どういう……?」
「復讐したいとは思われないのでしょうか」
どうして心を知っているの?
そんな風に思った。
「復讐……したいですよ、でも、できるとは思えません」
「したいのですね?」
「それは……そう、ですけど」
「なら協力しますよ」
「え」
「力をお貸ししましょう。……どうです?」
怪しいとは思ったけれど。
「ぜひ、お願いします」
この時はブルヘンカルートへの復讐心が何よりも大きくて、だからこそ、得体のしれない人の助力でさえも受け入れようとするような状態であった。
「ブルックです、よろしく」
「はい、よろしくお願いいたします」
彼ブルックが誰だったかは、まだ思い出せない……。
◆
あの後ブルックが雇ってくれた調査員の調査によってブルヘンカルートの悪行がぼろぼろといくつも出てきた。
彼はあちこちでこっそり悪いことをしていた。
そのため弱点は多くあった。
もし彼が善良な人間であったとしたら、きっと、もっと弱点探しに苦労したことだろう。
そういう意味では彼が悪人で助かったのか……。
「こちらで、勝負に出ましょう」
「本当に大丈夫でしょうか、ブルックさん」
ここまで共に歩んできてくれたブルックのことを疑っているわけではない。
彼はいつだって頼もしかった。
だから今だって彼のことは信じている。
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