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前編
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「エンフォーニカ・フォン・リース! 貴様との婚約は、本日をもって破棄とする!」
婚約者カインはある日の晩餐会にて突然そんなことを宣言してきた。
また、彼はそこから、私の悪いところを言葉にして大量に並べ始める。次から次へと出てくる心ない言葉。それはどこまでも続いてゆき、終わりなどない。
「何あれ、ひど……」
「可哀想に」
「あんなに言わなくてもいいのに……。ちょっとさぁ、暴言とか最低よね。しかも人前でよ? あり得ないわ」
聞こえてくる外野からの声、そこには同情も多く含まれていた。
それに救われはしたけれど。
同時に申し訳なさも感じた。
他者へのものであったとしても、暴言など誰も聞きたくはないものだろう。
「ちょっと……ねぇ。酷いわよねぇ、人前で。カインくんだっけ? 彼、こんな酷い人だとは思わなかったわぁ」
「ほんとそれ」
「あり得ませんわね、ご令嬢に対しあのような言葉を吐くなど」
「ほんと、ひど」
だがカインはもう止まらなかった。
暴走し始めた彼の口は心を壊すような言葉を発し並べ続ける。
そしてやがて、私は、気を失ってしまったのだった。
婚約者カインはある日の晩餐会にて突然そんなことを宣言してきた。
また、彼はそこから、私の悪いところを言葉にして大量に並べ始める。次から次へと出てくる心ない言葉。それはどこまでも続いてゆき、終わりなどない。
「何あれ、ひど……」
「可哀想に」
「あんなに言わなくてもいいのに……。ちょっとさぁ、暴言とか最低よね。しかも人前でよ? あり得ないわ」
聞こえてくる外野からの声、そこには同情も多く含まれていた。
それに救われはしたけれど。
同時に申し訳なさも感じた。
他者へのものであったとしても、暴言など誰も聞きたくはないものだろう。
「ちょっと……ねぇ。酷いわよねぇ、人前で。カインくんだっけ? 彼、こんな酷い人だとは思わなかったわぁ」
「ほんとそれ」
「あり得ませんわね、ご令嬢に対しあのような言葉を吐くなど」
「ほんと、ひど」
だがカインはもう止まらなかった。
暴走し始めた彼の口は心を壊すような言葉を発し並べ続ける。
そしてやがて、私は、気を失ってしまったのだった。
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