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後編
しおりを挟む婚約という関係が解消された日の晩のことだ。
ディッツが両親と共に暮らす家の前に一台の謎の宇宙船が停まって。
翌朝、近所の人たちが気づいた時には、ディッツ家は母以外皆揃って亡くなっていたそうだ。
ディッツの母だけは行方不明。
それ以外の家族は亡骸で発見。
――恐ろしい事件だった。
でも、それが何によって引き起こされた事件なのかはまったくもって分からず、人間が調査したところでその謎は解明されなかった。
そして、ただの一つの未解決事件として、記憶の奥へ消えてゆく。
そんなある日。
「ポッ、ポポッポロポ? (今、独り身?)」
かつて目にした謎の生物がわが家へやって来た。
虹色ののスライムを縦に豪快に伸ばしたような生き物だ。
「え、独り身、とは?」
「ポッポポ、オポポン? (結婚してない?)」
あの時と同じだ。
やはり、私だけがその言葉を理解できている。
「はい、していませんよ」
「ポッポポ、オッポロロプ! (結婚してください!)」
「ええっ」
「ポルッポツツポツツ! (願いはすべて叶えます、そして、絶対に貴女を幸せにします!)」
まさかのプロポーズ。
――しかし、答えを発する権利は私にはなかったようで。
そのまま謎生物に誘拐された。
◆
あれから八年。
私は、あの謎生物と結ばれ、謎生物たちが暮らす星で穏やかに楽しく暮らせている。
「ポイポポイッ! (愛してる!)」
「ありがとう~」
「ポッ! ポポポン! オイポポポッ! (昔は! 助けてくれて! ありがとう嬉しかった!)」
「これからも私はここで生きていくわね」
「ポッポポォーッ、イッ!! (やったーっ、ぁ!!)」
こんな未来が待っているなんてあの頃はちっとも思わなかった。
でも今はこうして生きられる今に感謝している。
◆終わり◆
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