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後編
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モートンに婚約を破棄された私は、昔親しかった近所のお兄ちゃんに会いに行くことにした。
彼が今住んでいるところは知っている。といっても一年ほど前の情報ではあるけれど。ただ、街でばったり出会った時に本人から教えてもらった情報なので、間違っているということはないだろう。一年ほど前から大きく変化がなければ、彼は今もそこにいるはず。
「はーい。……って、え!?」
「すみません、急に」
「アムネちゃん!? どうしてここに!?」
いきなり訪問したからかなり驚かれた。
「すみません、急に来てしまって」
「いやべつにそれはいいけど……どうしてこんなところに? それも一人で?」
彼は少々混乱しているようだった。
無理もないか。
もうずっと会っていない人が急に訪ねてきたのだから。
「婚約が破棄になってしまいまして」
「え……あ、う、うん、そうなんだ。で、それで……どうして?」
「迷惑かもしれません……でも、その、話を聞いてほしくて」
すると彼は頷く。
「そういうこと! ならいいよ、どうぞ」
それから彼にモートンとの話を聞いてもらった。
◆
モートンに婚約破棄されたあの日から、早いもので、もう三年が過ぎた。
一年が過ぎてゆくのは本当にあっという間。
色々あって忙しかったこともあるかもしれないけれど、この三年は信じられないくらい早く過ぎた。
で、私がどうしているのかというと、昔仲良かった近所のお兄ちゃんと結婚した。
叶わなかった、と一度は諦めた、幼き日の夢。
それは意外な形で叶った。
モートンが切り捨ててくれたからとも言える。
そういう意味では彼に感謝しなくてはならないかもしれない。
今は幼き日の夢が叶ってとても幸せに暮らせている。
一方モートンはというと、私に婚約破棄を告げた数日後にたんすに足先をぶつけたことでうっかり転倒してしまい、後頭部を強打して落命してしまったそうだ。
◆終わり◆
彼が今住んでいるところは知っている。といっても一年ほど前の情報ではあるけれど。ただ、街でばったり出会った時に本人から教えてもらった情報なので、間違っているということはないだろう。一年ほど前から大きく変化がなければ、彼は今もそこにいるはず。
「はーい。……って、え!?」
「すみません、急に」
「アムネちゃん!? どうしてここに!?」
いきなり訪問したからかなり驚かれた。
「すみません、急に来てしまって」
「いやべつにそれはいいけど……どうしてこんなところに? それも一人で?」
彼は少々混乱しているようだった。
無理もないか。
もうずっと会っていない人が急に訪ねてきたのだから。
「婚約が破棄になってしまいまして」
「え……あ、う、うん、そうなんだ。で、それで……どうして?」
「迷惑かもしれません……でも、その、話を聞いてほしくて」
すると彼は頷く。
「そういうこと! ならいいよ、どうぞ」
それから彼にモートンとの話を聞いてもらった。
◆
モートンに婚約破棄されたあの日から、早いもので、もう三年が過ぎた。
一年が過ぎてゆくのは本当にあっという間。
色々あって忙しかったこともあるかもしれないけれど、この三年は信じられないくらい早く過ぎた。
で、私がどうしているのかというと、昔仲良かった近所のお兄ちゃんと結婚した。
叶わなかった、と一度は諦めた、幼き日の夢。
それは意外な形で叶った。
モートンが切り捨ててくれたからとも言える。
そういう意味では彼に感謝しなくてはならないかもしれない。
今は幼き日の夢が叶ってとても幸せに暮らせている。
一方モートンはというと、私に婚約破棄を告げた数日後にたんすに足先をぶつけたことでうっかり転倒してしまい、後頭部を強打して落命してしまったそうだ。
◆終わり◆
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