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前編
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「マリエラ王女! 婚約を破棄させていただきたい!」
ある夏の夜、隣国の晩餐会にて、私は婚約者のブラウンにそう告げられた。
私と彼は隣り合う国の王子と王女。両国の関係のため、婚約することとなった。それぞれの娘と息子を差し出すことで、二国に切れない関係を作ろうという意図があったのだろう。
愛し合って婚約したわけでないということは分かっている。
けれども、いきなりどうしてこんなことを言われているのかは分からない。
「それは一体どういったお話ですか?」
分からないことが多過ぎる。
まず、どうして晩餐会の場でこんなことを告げるのか。
他人がいるところで告げる必要なんてないはずなのに、彼は敢えて他人がいるところで告げることを選んだ。何となく、ということは、さすがにないだろう。敢えて他人がいる場で告げることを選んだのだ、何かしらの意図があるはず。
そして、なぜ前もって伝えてくれなかったのか。
王子と王女の婚約を破棄する、となると、それは小さなことではない。それは、少し間違えば両国の関係が悪化するようなこと。重要なことだからこそ、慎重にならなくてはならない。公の場で告げるにしても、前もって何かしら伝えておく必要があるはずだ。
「国のためを思い、僕は君との婚約を受け入れた。が! 君の悪い行いを耳にして、婚約するべきではないと判断した! よって婚約破棄させてもらう!」
ブラウンは片手の手のひらをこちらへかざすようにしながら、堂々とした大きな声で宣言する。
ただ、内容が内容なので、かっこよくはないのだけれど。
「……悪い行い?」
誰に何を吹き込まれたのだろう。
ある夏の夜、隣国の晩餐会にて、私は婚約者のブラウンにそう告げられた。
私と彼は隣り合う国の王子と王女。両国の関係のため、婚約することとなった。それぞれの娘と息子を差し出すことで、二国に切れない関係を作ろうという意図があったのだろう。
愛し合って婚約したわけでないということは分かっている。
けれども、いきなりどうしてこんなことを言われているのかは分からない。
「それは一体どういったお話ですか?」
分からないことが多過ぎる。
まず、どうして晩餐会の場でこんなことを告げるのか。
他人がいるところで告げる必要なんてないはずなのに、彼は敢えて他人がいるところで告げることを選んだ。何となく、ということは、さすがにないだろう。敢えて他人がいる場で告げることを選んだのだ、何かしらの意図があるはず。
そして、なぜ前もって伝えてくれなかったのか。
王子と王女の婚約を破棄する、となると、それは小さなことではない。それは、少し間違えば両国の関係が悪化するようなこと。重要なことだからこそ、慎重にならなくてはならない。公の場で告げるにしても、前もって何かしら伝えておく必要があるはずだ。
「国のためを思い、僕は君との婚約を受け入れた。が! 君の悪い行いを耳にして、婚約するべきではないと判断した! よって婚約破棄させてもらう!」
ブラウンは片手の手のひらをこちらへかざすようにしながら、堂々とした大きな声で宣言する。
ただ、内容が内容なので、かっこよくはないのだけれど。
「……悪い行い?」
誰に何を吹き込まれたのだろう。
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