私の主張は少しも聞いてくださらないのですね

四季

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中編

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「僕の世話係アイーネを陰でこっそり虐めていたのだろう! すべて聞いている!」
「心当たりがありません」
「逃げようとするな! 真実はアイーネがすべて明かしてくれた。逃げ場はない!」

 なぜ本人の主張だけを真実と信じる? なぜ彼女の主張は信じるのに私の主張には耳を貸そうとしない? 謎でしかない。彼女の主張を聞くのなら、私の主張も聞くべきではないのか。

 それに、そもそも、私はアイーネとそんなに関わっていない。

 顔を見たことはある。挨拶をしたことはある。が、親しいわけでもないし、長い時間を共に過ごしているわけでもない。そのことはブラウンとて知っているはず。

「……私の話を聞いてはくださらないのですね」
「あぁ! 罪人の主張を聞くつもりはない!」
「分かりました。……では戦いましょう。ただし、戦う場所はここではありません。第三者もいるところで、言葉をもって、戦うことにしましょう」

 私は一国の王女だ、ありもしないことを広められるわけにはいかない。なぜなら、私の評判に傷がつくと国の評判にも傷がついてしまうから。王女が虐めていた、なんて言われたら、私たちの国がどのように見られるか分からない。だから、ないことはないと、はっきり宣言しなくてはならない。

「よくもそんなことを……! 卑怯者……!」
「何が卑怯者なのですか? 私は正々堂々と戦うと言っているのです」
「そんなことをしたら身分が低いアイーネが負けるに決まっているだろう!」
「身分など関係ありません。真実をはっきりさせる、それだけですから」

 この時、晩餐会中に少々口論になりかけたため、私は気の強い王女というイメージを持たれてしまったようだった。だが、私の虐めが真実と証明されたわけではなかったので、私の評判が下がるということはなかった。

 気が強いねぇ、などと言われはしたけれど。

 それから私は戦いに挑んだ。当然、物理的な戦いではない。私の名誉を守るための、言葉を使っての戦いだ。私はアイーネを虐めていないと説明しなくてはならなかった。また、アイーネの主張が偽りのものであると証明する必要があった。

 手続きや証拠の整理が必要ということもあって、時間はかかった。
 それでも諦めずに動き、戦い続けて。

 半年後、ようやく、アイーネを虐めていないという私の主張が認められることとなった。

「ブラウン王子。私の勝ちです」

 戦いの幕が一旦下りた日、私はブラウンにそう告げた。

「お、お前……!」
「私の主張が真実であると理解していただけましたか?」
「ふざけるな! こんな結果、認めない。認められるわけがない!」

 彼はまだ現実を受け入れられていないようだ。

 けれども、私に罪がないということは、既に第三者が認めた。私の主張が事実であることは認められたのだ。彼に私を責める権利はない。
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