私の主張は少しも聞いてくださらないのですね

四季

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後編

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「認められるわけがない? 何を言っているのです。もう認められたではないですか」
「それは王女の権力を使って……」
「馬鹿げたことを仰らないでください」

 この時ばかりは感情を抑えきれなくて。
 彼を睨んでしまった。

「私はそのような卑怯なことはしませんし、最初から本当のことしか話していません。他者を侮辱するのはいい加減にしてください」

 もういいのだ。私たちの関係はもうじき終わる。だからもう、彼に良く思われなくても構わない。彼が笑いかけてくれるように振る舞う必要も、もうない。

「さようなら、ブラウン王子」

 それが、私が彼に向けて発した、最後の言葉となった。


 ◆


 それから両国の関係は大きく変わった。

 婚約破棄騒ぎが発端となって、みるみるうちに敵対するようになってしまった。

 私とて悪魔ではないから、国同士が険悪になることを望んではいなかった。私たちだけの問題のために戦いを生みたくない。多くの人を巻き込みたくはなかったのだ。

 しかしもはや手遅れだった。
 気づいた時には遅過ぎた。

 両国はあれよあれよといううちに開戦に至ってしまう。

 軍事力では私たちの国の方が圧倒的に上だ。それゆえ、勝利を収めるまで、そんなに長い時間はかからなかった。隣国はあっという間に敗北。それと共に、多くのものが失われた。

 隣国の王とその妻は身柄を拘束され、牢に入れられた。二人は二度と空を見ることはなかったらしい。薄暗い世界だけで死を迎えたらしい。

 一方、王子であるブラウンはというと、拘束されやがて空の下で処刑されたそうだ。

 ブラウンの処刑を近くで見守るしかなかったアイーネは、主人を失い、何もできずにいるうちに闇商人に捕まった。そして、裏社会にて売り飛ばされてしまったらしい。彼女のその後を知る者はいない。

 私は一人の王女として国のために生きた。

 国のために、なんて、自分で言うのは変かもしれないけれど。
 ただ、私なりに国に貢献できたのではないかとは思う。そして、これから先も、そう思えるように生きていきたい。

 生まれ育ったこの国に、少しでも恩返しができるように。
 そう考えながら、生きていく。


◆終わり◆
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感想 4

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みんなの感想(4件)

砂月ちゃん
2021.04.30 砂月ちゃん
ネタバレ含む
2021.04.30 四季

感想ありがとうございます!

そう思います。

解除
花梨
2021.04.30 花梨
ネタバレ含む
2021.04.30 四季

感想ありがとうございます!

残念な結末ですね……。

解除
とまとさん
2021.04.28 とまとさん

(ノ≧∀≦)ノ🎊
HOTランクインおめでとうございます。
婚約破棄物って、
なんで一方向なんだろう?

2021.04.28 四季

温かいコメントありがとうございます……!m(_ _)m

解除

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