婚約者一家からも実の両親からも大事にされなかった魔法使い令嬢は家出して暗殺者となる。

３話「意外な結末」

「馬鹿男！　どうにかしなさいよ！　すぐに倒しなさい！」
「む、む……ガクガクガクガクガク」
「んもうっ！　駄々漏れにして！　きたないっ！」

　フォレアはその場で火炎の魔法を使い父親を黙らせた。

　ばたりと倒れた彼はもう亡骸となっている。
　叫びも怯えもしない、駄々漏れにもしない。

「あっ……あなた……まさか、フォレア……!?」

　母親に気づかれた。
　しかしフォレアは動じない。

「ま、ま、待って！　待つのよフォレア！　実の母親でしょう!?　殺していいの!?　実の母母親を殺すなんて……そんな、そんなことっ……大罪よ!?　……ギャッァ!!」

　母親は静かになった。
　もう息もしていない。


　◆


　その後、フォレアの両親が家の地下室に王子を閉じ込めていたことが発覚した。

　暗殺者となったフォレアのおかげで王子は助け出された、ということもあり、国王の意向で暗殺者フォレアは国の英雄とされることとなって。

　フォレアは王子と結ばれることとなった。

　彼女はもう暗殺者ではない。
　今は王子の妻として必要とされながら幸せに生きている。


◆終わり◆