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前編
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一時間ほど前まで雨が降っていた。
しかし今は既にやんで。
青く澄んだ空が静かに地上を見下ろしている。
「なぁ、フレーラ」
声をかけてきた茶髪の男性は私の婚約者。
名はボボウ。
彼は無職で一日のほとんどを寝て過ごしているような人だ。
「何?」
彼から声をかけてくるのは珍しい。
「おまえ殺処分な」
「はい?」
いきなり飛んできた殺伐とした雰囲気の言葉。
すぐには理解できない。
それは本来人間にかけるような言葉ではないと思うのだが。
ただ、彼としては、そこまで深く考えず言っただけなのかもしれない。
「どういうこと?」
「おまえみたいなクズとは他人になる」
いきなり『クズ』はないだろう、失礼にもほどがある。
「婚約をやめる?」
「あぁ」
「またいきなりね」
「それが嫌なら泣いて謝れ。で、服を脱いで土下座しろ」
私は溜め息しかつけなかった。
もっとも、口から出してはおらず、心の中でつく溜め息なのだけれど。
「嫌よ、服を脱ぐのは」
「なら殺処分な」
「婚約破棄したい、用はそれだけ?」
「そういうこと」
「分かったわ。それでいいわよ。じゃあそうしましょう」
いきなり物騒なことを言ってくるような人とは……もう付き合ってはいけない。
「じゃあね、さようなら」
「消えろし」
私は彼の前から去る。
こうして私と彼の関係は終わった。
しかし今は既にやんで。
青く澄んだ空が静かに地上を見下ろしている。
「なぁ、フレーラ」
声をかけてきた茶髪の男性は私の婚約者。
名はボボウ。
彼は無職で一日のほとんどを寝て過ごしているような人だ。
「何?」
彼から声をかけてくるのは珍しい。
「おまえ殺処分な」
「はい?」
いきなり飛んできた殺伐とした雰囲気の言葉。
すぐには理解できない。
それは本来人間にかけるような言葉ではないと思うのだが。
ただ、彼としては、そこまで深く考えず言っただけなのかもしれない。
「どういうこと?」
「おまえみたいなクズとは他人になる」
いきなり『クズ』はないだろう、失礼にもほどがある。
「婚約をやめる?」
「あぁ」
「またいきなりね」
「それが嫌なら泣いて謝れ。で、服を脱いで土下座しろ」
私は溜め息しかつけなかった。
もっとも、口から出してはおらず、心の中でつく溜め息なのだけれど。
「嫌よ、服を脱ぐのは」
「なら殺処分な」
「婚約破棄したい、用はそれだけ?」
「そういうこと」
「分かったわ。それでいいわよ。じゃあそうしましょう」
いきなり物騒なことを言ってくるような人とは……もう付き合ってはいけない。
「じゃあね、さようなら」
「消えろし」
私は彼の前から去る。
こうして私と彼の関係は終わった。
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