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前編
しおりを挟む私の人生は一つの呪文があるからいつだって安泰だ。
「あんたねえ! ホントとろいのよ! いい加減にしなさいよ、母に迷惑ばっかりかけて! あーあ、あんたなんて生まれてこなかったら良かったのに。ホント、母が子を選べるようにしてほしいわぁ。そんな時代が来てほしいわ、今すぐ」
「ママ、それはちょっと酷すぎるよ……」
「はぁ? あんたが無能なのが悪いんでしょ? それを母親のせいにするっての? ホントねぇ、いい加減にしなさいよ!」
いつも怒ってばかりの母に酷いことを言われ我慢できなくなった時。
「ちょっと、聞いてるの?」
「アポルポポストルテニロレストポロレストリリストロポロセス!」
「何言って――っ、ぐ、ぎゃあああああああ!!」
この呪文で母を仕留めた。
思えば、それがはじめての呪文使用だった。
「あんたさぁ。ちょっとカワイイからって調子乗ってない?」
同性からそんなことを言われた時も。
「しばいたげよっか? そのカワイ~イ顔、傷だらけにしたげるよ。ほらこっちにおいで~?」
理不尽にナイフで傷つけられそうだったので。
「ぎゃはは! うける!」
「やったれやったれ」
「こりゃおもろいわぁ」
それを使った。
「アポルポポストルテニロレストポロレストリリストロポロセス!」
傷つけようとしたリーダー的女子はもちろんのこと、その周囲で止めようとも助けようともしなかった人たちだって――そう、罪は同じ。
「ぐろろろろろろろ!!」
リーダー的女子は急に持っていたナイフで自分の顔を裂いた。
「っ、ぐへええええええええっ!?」
「ぎゃあああ」
「うわあああああっ、ぅ、ぅ、ぅぐああああぁぁぁぁ!!」
取り巻きたちも、この呪文によってこの世から消えた。
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