やっかいな親のもとに生まれたうえ婚約破棄されてどうしようもなくなっていた私は、魔法使いのおばさんに拾われました。

四季

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後編

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 ◆


 あれから数週間が経ったが、驚いたことに、今もあの時出会ったおばさんのところで生活している。

 あのおばさんは魔法使いだった。で、弟子候補が欲しかったそうで。そんな時たまたま歩いていた私に声をかけたとのことだ。それゆえ人一人を受け入れる準備はできていて、私はその枠に収まることができた。

 今は見習い魔法使いとなっている。

「あの木の実摘んできたよ。一緒に食べないかい?」
「いいですね」

 とはいえ厳しい修行をさせられているわけでもなく。
 色々世話してもらっている。
 もう情けなくて泣きそうなくらい、お世話になってばかりだ。

「ああべつに敬語じゃなくてもいいよ」
「いやいや、それは駄目ですよ」
「いいっていいって。固いねぇ。ま、そういうところも嫌いじゃないんだけどねぇ」

 ちなみに、両親は、先日魔法使いのおばさんによって異世界箱に監禁された。

 今は異世界箱の中で相応しい罰を受けているはずだ。

 もうこの世で会うことはない。
 私にとっては何よりもの救いだ。

 二人がいなければもう……当り散らされることもない。

 これは最高の結末。
 ハッピーエンドそのものだ。


◆終わり◆
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