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前編
「君との関係はここまでだ!」
婚約者モルテーから告げられた美女アイネ。
「どうしてですか」
彼女は皆が認める美女。
しかし少しおっとりしたところのある人で、独特の雰囲気のある人だ。
それゆえモルテーからは愛されなかった。
悲しいことだけれど。
だがそれも好みの一部で仕方ないことではあったのかもしれない。
「なんというか……のんびりし過ぎていて不安だからだ」
「あ、そうですか。……そうですね、では、婚約破棄ということで?」
「そういうところだ!」
「お別れということで?」
「ああ!」
こうして二人の関係は解消となった。
――だが、その翌日、アイネの身に奇跡が起こる。
そう、彼女に、特殊スキル『ドコマデモスベール』が宿ったのである。
そのスキルは、言葉の通り、どんな地面であっても氷の上の滑るかのように滑って移動できるというものだった。
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