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後編
しおりを挟む「え……」
「な、何あれ……うそ、きも……露出狂……?」
「パンイチとかないわ」
「ぎえぇ……見ったくねぇ、わ……うえげげ……」
それは呪術師の呪術によるものであったのだが、そんなことは誰も知らない。
「い、いやああああ! 見ないでえええええ! パパ、パパ、助けてええええええ!」
エンベローズは恥じらい過ぎて精神崩壊した。
その日以降彼は一日のほとんどの時間を自室で眠って過ごすようになったらしい。
また、起きている時も、「あ」と「お」しか発生できなくなってしまったそうで。
彼は完全に壊れてしまったようだ。
今や彼はかつての彼ではない。
皆が知る彼はもうこの世からいなくなってしまった、あの世へ逝ってしまった。
悲しいことだが、それもまた運命と思って諦めてほしい。
私に恥を掻かせようとした結果、恥を掻くこととなってしまったのだ。
……ま、自業自得とも言えよう。
すべての始まりを作ったのはエンベローズ自身なのだ。
ちなみに私はというと、その後少しして縁談がやって来てその人と結婚した。
彼との相性はとても良かった。
初対面の時から気が合って、だから、夫婦となることにそれ以上の多くの理由は要らなかった。
◆終わり◆
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