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前編
しおりを挟む同性の友人と訳あって二人で暮らしていたのだが、ある日、同居している彼女エリーナの書き置きを見つけた。
――私、月曜日の朝、死にます。
彼女は白い紙にそれだけ書いていた。
今日はそう、月曜日。
そして起床直後。
まさに、ここに書かれている月曜日の朝。
「エリーナ! エリーナ! いる!?」
慌てて飛び起きて家中を探したけれど、既に彼女はいなかった。
「待ってて、迎えに行くから……」
場所の心当たりはある。エリーナは先日浮気性な婚約者から婚約破棄を告げられたばかりだった、自殺の原因は恐らくそれだろう。だとしたら、その話に関わる場所へ行くはず。
愛する人と最後に話した場所――そう、北の湖。
エリーナが最期の場所として選ぶならそこしかないはず……。
ただひたすらに駆けた。場所なんてほぼ賭けだ。それでも足を動かして必死に走った。お願い間に合って、まだ死なないで、そんなことを強く想いながら。髪の毛なんて寝起きのままで、美しさなんて欠片もないけれど、彼女の命がかかっているからそんなことはどうでもよかった。
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