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後編
しおりを挟む「エリーナ!!」
一瞬、湖の畔に立つ彼女が見えた。
「戻ってきて!!」
「…………」
しかし女性は飛び込んでしまう――救いたい、その一心で、私も湖に飛び込んだ。
そこで記憶は途切れ。
――次に気がついた時、私は病院のベッドの上にいた。
「ファシー……気がついたの……」
一番に視界に入ったのはエリーナだった。
「エリーナ」
「あの、私、貴女を巻き込みたくなかったのに……」
「生きてる!?」
「え、あ」
「生きてるの!? エリーナ!?」
がばっと起き上がって肩に触れれば。
「……うん」
彼女は少し寂しそうに微笑んだ。
二人して湖に沈みそうになっているところに散歩のおじさんが通りかかって助けてくれた、という話だったようだ。
「エリーナ、死なないで」
「うん……あんなこと、私、もうやめる……」
私たちはまた歩き出す。
穏やかな空の下。
◆終わり◆
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