婚約破棄されたし、まぁ、皿洗いでもしとくわ。

四季

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前編

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「君のような忠誠心の欠片もないやつとは生きていけん。よって、貴様との婚約は破棄とする」

 十くらい年上の婚約者ルリルデヂッチはある日突然そんなことを言ってきた――それも、不機嫌そうな澄んでいない低い声で。

「貴様なんぞと生きていくなど絶対にごめんだ」

 同感です。
 こっちこそ、彼みたいな酷い人とは生きていけない。

「承知しました。ではさようなら」
「あぁ、二度と視界に入るなよ」

 いちいち余計なことばかりいうなぁ……と思いつつ、私は彼に別れを告げた。

 きっともう二度と会うことはないだろう。けれども彼もそれを望んでいるのだからそれでいい。こちらだけが彼に縋りつく理由があるわけでもないし。

 私たちはそれぞれの人生を歩もう――その方がきっと良い。
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