婚約者として上手くやっていけると思っていたのは……。

四季

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婚約者として上手くやっていけると思っていたのは……。

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 婚約者として上手くやっていけると思っていたのは……。

 私だけだった。

「お前みたいな美女でもないやつを妻になんかできるかよ。ま、親の指示で仕方なくここまで付き合ってきてやったけどさ、もう無理だわ。てことで、婚約は破棄な! バーイ」

 婚約者の彼は私を愛してなんかいなかった。
 いやそれどころか。
 共に生きていこうとさえ思ってくれていなかったようだ。

 私たちの関係は最初からおかしかったのだろう。まともに成り立っていると思っていたのは私一人だけで。彼は初めから私のことなんて何とも思っていなかった、それが現実なのだろう。

 それでも、私は彼を大事に思っていた。

 彼と生きてゆきたい。

 否。
 彼と生きてゆく。

 そう思っていた。

 ああ、どこまでも切ない……。

 馬鹿だったのか。
 私は。

 その日の晩は大雨だった。

 それはまるで私の胸の内を描いているかのようで。
 雨音を聞くだけでも切なくなる。

 この心に降り注ぐ雨はいつかやむのだろうか……それすら今は分からない。


◆終わり◆
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