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3話
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あれから数ヶ月、私の体調は順調に回復し、少しずつ穏やかな日々へと戻っていくことができた。
今は両親と三人で暮らしている。
妹に気を遣わなくていい生活は非常に爽やかで心地よい。
のびのび暮らせることのありがたみを今強く感じている。
「母さん! あの蜂蜜、また食べていい?」
「ええ、いいわよ」
なんてことのない平凡な日々。
けれどもそれは何よりも愛おしいもの。
「やったぁ!」
「ささっと飴でも作ろうか?」
「いや、それは大丈夫」
「あらそう?」
「うん、普通に食べられるから、大丈夫」
「そう……分かったわ、じゃあそういうことで。あ、そうだ、ハーブティーでも淹れましょうか」
あの時死ななくて良かった――かもしれない。
◆
エメルと妹が結婚して一年が経った。
驚いたことに、二人は既に離婚している。
何でも二人は結婚後やたらとぶつかり合うようになってしまったようで、そこから急激に不仲になり、やがて殴り合ったり物を投げ合ったりすることもあるくらいの関係になっていったそうで――あまりにも酷い状況になったためにエメルの親が介入し、離婚となったそうだ。
エメルはその後実家暮らしに戻ったそう。
それによって友人や周囲の人たちから冷ややかな目を向けられる機会が多く、彼は段々心が弱っていったそうだ。
一応普通に生きてはいるものの、時折酷く落ち込んだり泣き出してしまうような不安定な精神状態となってしまっているようである。
一方妹はというと、離婚後ふらりとどこかへ行ってしまい、そのまま還らぬ人となった。
◆終わり◆
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