かつて愛していた世界

四季

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かつて愛していた世界

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遥か昔
この世界は美しかった

長く雨が降り続き
海ができ
生命が生まれて
すべてが始まった

小さな種から幕開けたそれは
やがて大樹となり
世に二つ目の色を生み出して
宙を浄化した

海の青 森の緑 数多の生命が過ごす場所になった

遥か昔
この世界は眩しかった

穏やかな陽射しが
地上に降り注ぎ
生命を抱き締めて
すべてを育んだ

細やかな卵から誕生したそれは
やがて翼を持ち
大空を自由に駆ける力を得て
空に瞬いた

陽の光 高い空 数多の生命が輝く時代が来た

また長い時が過ぎ
現れる新たな種
その生き物は様々な意思を持ち
それゆえに争いを好んだ

憎しみの炎 戦いの嵐 数多の生命が断ち切られることになった

遥か昔
この世界は美しかった

遥か昔
この世界を愛していた

けれども

今はもう還らない
愛していた世界
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