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後編
しおりを挟むでも本当は違った。
彼は少しでも都合が悪くなると急に丁寧さがなくなるのだ。
「はぁ? そりゃこっちが言いたいわ! なーんでそんなあれこれ言われなくちゃなんねえんだよ!」
「女性と二人きりはやり過ぎだと言っているだけよ」
「あーあーあーうっぜぇ! なぁ! もういい、婚約なんざ破棄だ!」
しかも急にそんなことを言われてしまって。
「婚約は破棄する! だから消えろ! 二度と俺の前に現れるな!」
関係は遂に終わりを迎えた。
◆
あの後、歌い手の道に復帰した私は、その道で成功を収めた。
多くの仕事と良い評判を得て。
富も得ることができて。
そうして私は己の力でのし上がっていった。
もちろん、多くの人の協力のおかげでもあるけれど。
今はもうレッツフォンドなど見ようとしても見えない場所にいる。
彼とあの時離れておいて良かった、そうでなければ今の私などなかった――そう考えると、私はこの道へ来たことを間違っていなかったのだと思える。
一方レッツフォンドはというと、あの後も好き放題女遊びを続けていたようだが、やがて治す方法がない病気を貰ってしまったそう。
で、日に日に衰弱してゆくばかりらしい。
噂によればもうじき亡くなるかもしれないのだとか。
◆終わり◆
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