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3話
しおりを挟むそして翌朝。
私は母の声で起きる。
「起きて! ねぇ起きなさいよ! 早く!」
「ん……」
「城から人が来ているの!」
「えっ」
「分かる? あんたによ!」
「え、ええええ!?」
まさかの展開に、飛び起きた。
その後徐々に分かってくる。
城から人がやって来たのは、王子が私との婚約を望んだからだそうだ。
そのことを伝えるために遣いが訪問してきたようである。
まさかぁ、と、一瞬は思ったけれど――冗談ではなかったようで。
「あんた、何したの?」
「いや特に心当たりは特に……」
「そう。でも――やるじゃない、王子様から、なんて」
「ううん……」
そこからはどんどん話が進んだ。
私はまず実家を出ることになった。それは、王子との結婚を前向きに考えると答えたからだ。前向きに考えるなら、と、王子のもとへ行くこととなったのである。
そこで私は今回の主役とも言えるルネ王子と顔を合わせる。
「初めまして」
「は、初めまして……」
「緊張なさっているようですね?」
「……はい、かなり」
「大丈夫ですよ、そんな固くならないでください」
「……お気遣いに感謝します」
ルネ王子は彫刻のような面の持ち主だった。
でも柔らかな雰囲気のある人。
「お会いできて嬉しいです」
「そんな……」
「ああもう可愛いですね、そんな緊張なさって」
「申し訳ありません」
「いやいや! そういう意味では! ないんですよ?」
「段々慣れられるようにします……頑張ります、これから」
その後私はルネ王子と結婚。
いろんなことを学びながら、日々を生きた。
すべては彼に相応しい女になれるように、である。
大変なことももちろんあったけれど、それでも、私は何も後悔はしていなかった。
ルネ王子のことが好き。
だから彼と一緒にいたい。
その想いがあるから何でも乗り越えられた。
……しかし、本当に夢みたいだ。
ちなみにガルマンデータルはというと、あの後、イライラした時にやたらとペットに当たり散らし虐待していたことが動物愛護会の調査によって判明したそうで――それによって彼の社会的な評判は地に堕ち、さらに、その時の婚約者から婚約破棄を宣言されたそうだ。
その後彼はすべてにおいて自信を失い。
普通の生活すらできないほどに落ち込み弱ってしまったそうだ。
◆終わり◆
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