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婚約破棄、新たなる出会い。
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私には婚約者がいたのだけれど、彼との関係は今日終わってしまったの。
「君よりずーっと可愛い娘に結婚したいって言われたから、婚約は破棄するね!」
明るい声でそう言われて。
私はもう彼の前にはいられなくなったわ。
残念としか言い様がないわね。
彼の心が私へ向かなくなってしまったのなら、婚約破棄も仕方のないのかもしれない。そのまま関係を続けていても意味なんてないのかもしれない。
それでも、それでも、直接あんな風に言われると悲しいのよ。
自分を絶世の美女と思っているわけでも最高に可愛いと思っているわけでもないけれど、あぁ負けたのか、って……何とも言えない気分になってしまうわ。
とはいえ過ぎたことよ。
忘れて次に進まなくちゃ。
◆
その日の晩、一人で家の近くの森を散歩していると。
「どうしたのですか? こんな夜に一人で」
一人の男性と出会う。
「え」
「すみません、急に」
「いえいえ。で、ご用は何でしょうか?」
彼の瞳を見た時、私は心が吸い込まれるような感覚に襲われた。
それは、新たなる出会い。
◆終わり◆
「君よりずーっと可愛い娘に結婚したいって言われたから、婚約は破棄するね!」
明るい声でそう言われて。
私はもう彼の前にはいられなくなったわ。
残念としか言い様がないわね。
彼の心が私へ向かなくなってしまったのなら、婚約破棄も仕方のないのかもしれない。そのまま関係を続けていても意味なんてないのかもしれない。
それでも、それでも、直接あんな風に言われると悲しいのよ。
自分を絶世の美女と思っているわけでも最高に可愛いと思っているわけでもないけれど、あぁ負けたのか、って……何とも言えない気分になってしまうわ。
とはいえ過ぎたことよ。
忘れて次に進まなくちゃ。
◆
その日の晩、一人で家の近くの森を散歩していると。
「どうしたのですか? こんな夜に一人で」
一人の男性と出会う。
「え」
「すみません、急に」
「いえいえ。で、ご用は何でしょうか?」
彼の瞳を見た時、私は心が吸い込まれるような感覚に襲われた。
それは、新たなる出会い。
◆終わり◆
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