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後編
しおりを挟む「あいつぅぅぅぅ! ぜーったいに! 許しませんわぁぁぁぁぁ! 婚約破棄だなんてぇ! 最悪ですわっ、許せないぃぃぃぃぃっ!」
婚約破棄された妹は情緒不安定に。
もともと若干情緒不安定気味ではあるのだけれど、婚約破棄の件以降は特にそれが顕著になっていった。
そして、婚約破棄から十日ほど経ったある日、彼女はエルフィンの家へ突撃して怒鳴り込んだそうだ。
しかし通報されてしまって。
妹は迷惑行為によって地域の警備隊に拘束されることとなってしまったそうだ。
「妹さん、捕まったんですってね」
「お姉さんいっつも本当に気の毒にね」
「気にすることないわよ! 彼女は彼女、貴女は貴女だもの!」
こうして妹は社会的に終わった。
彼女はこれから十年以上牢の中で暮らし無賃労働をすることを求められる――でもそれは私にとっては悪い話ではない、だって、十年以上一緒にいなくて済むということだから。
ま、完全に自業自得だろう。
ちなみに私はというと。
妹が捕まった数年後、行きつけの喫茶店で知り合った冒険者の青年と結婚。
彼は妹の事情を知ってもなお私を受け入れてくれて。
心の広い彼と今は夫婦として穏やかに暮らせている。
◆終わり◆
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