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夜と、セミの音と
しおりを挟む何でもない退屈な夜に
聞こえてくるセミの鳴き声
なぜ夜に鳴いているのだろうと
不思議に思いつつ
ぼんやりしながら聞くセミの音
昼間は動けぬほど暑く
夜に活動するしかないのかと
そんな風に思考を巡らせ
彼らも大変なのだなと思ったりする
人の波は苦労に追われるばかり
人々は苦難に見舞われるばかり
けれどもそれは
きっと人間だけに与えられた試練ではないのだろう
わけもなく考える
思考に浸る夏の夜
どこまでも退屈に思えるのは
今の価値に気づいていないからと
偉大と言われた人は言うけれど
私はこの夏に
平穏を当たり前のものとして享受する
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