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前編
しおりを挟む我が国の王子王女は計四人いるのだが、その素行はあまり褒められたものではない。
そして、中には、酷い目に遭って落命した者もいる。
どうでもいいことかもしれないが。
せっかくなのでここで話すこととしよう。
自由に育てられた彼らは、過剰にのびのびと気ままに育ち、残念なことになってしまった。
◆
まず、第一子、その子は男性だ。
つまり長男。
まさに国王となるはずだった人である。
けれども、ある程度の年齢になると、女性にやたらと手を出すようになっていった。
彼はどんな女性にでも手を出した。
大臣の娘、王家の男性の妻、侍女、彼を憧れている女性――相手の身分は様々。
彼は女性を毎日のように自室に呼んでいた。
そして一夜きりの関係を結び。
過剰なまでの関わりを楽しんだ後、別れを告げる。
そういうことを繰り返していた彼は、二十代半ばに女性から病気を貰ってしまい、その治療の間女性と仲良くできないことを苦に自殺した。
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