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10話「子どもたちは正直」
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「これでもまだ認めないなら、痛い目に遭わせてあげるわ!!」
アレンティーナは鬼のように目を剥きながら殴ろうとしてくる――が、直前に鋭い声が飛んでくる。
「やめるんだ!」
凛とした青年の声。
これにはさすがのアレンティーナも一旦動きを止める。
声の主を察してか否かは定かでないが、彼女は、恐る恐る振り返る。
「ら、ラムティクさま!?」
アレンティーナは衝撃を受けたようで悲鳴のような声を発した。
「君が何者かは知らないが、彼女から離れるんだ」
「あ……あ、あの……」
「すぐに離れろ!」
「ひ、ひいい……」
あれほどまでに攻撃的かつ執拗だったアレンティーナを一瞬で落ち着かせるとは、と、内心尊敬の念を抱く。
「マリエさんに手を出すとはどういうことか、説明してもらう」
「ち、違うんですっ。アレンティーナ、悪くないの! 悪いのはアレンティーナじゃなくってこの女なの!」
「何だって」
「この女が! マリエが! アレンティーナのこと虐めるのっ」
すると子どもたちが口々に真実を述べる。
「お姉たまはそんなことしないわよぉ」
「こいつ! 嘘つきだ!」
「そうだよ~。マリエさんは優しい人だもん~。虐めるなんてあり得ないよ~」
それを聞いたラムティクは共感したように数回頷き、改めて目の前のアレンティーナへと視線を向ける。
いつもの優しい彼ではない。
その目つきは鋭く剣のよう。
「マリエさんを傷つけ、さらには己の罪をマリエさんになすりつけ、君はあまりにも悪質過ぎる」
「ち、違うんですっ。ラムティクさまは騙されています! この悪女マリエに! ……アレンティーナは嘘をついたりしませんっ、なのに、なのに……ラムティクさまはアレンティーナを嘘つきと言って、一方的にマリエの味方をするのですか? そんなのっ……どうかしています!」
怪訝な顔をするラムティクにアレンティーナはそっと寄っていく。そしてその腕をラムティクの腕に絡めようとして、拒否された。一瞬かなり怖い面持ちになるアレンティーナだったが、すぐにぶりっこモードに戻る。彼女は「んもぉ、照れ屋さんですねっ」と冗談めかすが、そういうことをすればするほどラムティクの表情は怖いものに変化していく。表情、行動、そのすべてで、ラムティクはアレンティーナという人間を拒否していた。
「この後一緒に来てくれ」
「あらぁ? お誘いですかぁ? うふふ、もちろん! 行きます、行きますっ」
「聞き取り調査を行う」
「え」
「勘違いしないでくれ、個人的な誘いじゃない」
「で、でも……この後って言ったらぁ……そういうこと、ですよね?」
「違う」
「ふぇ!?」
「個人的な誘いなわけがないだろう、知り合いでもないというのに」
私の時はいきなり関わってきたけどな……、と思いつつも、そんなことは今ここで言っても意味のないことなので言わないでおいた。
「アレンティーナのぉ……魅力にぃ、気づいてくださったんじゃぁ……ないんですかぁ……?」
「そんなはずがないだろう」
「ふぇええ!?」
「……ふ。君のような子どもが見ている前で他者を傷つけようとする女性に魅力など感じるわけがない」
ラムティクの言葉を聞いた子どもたちは「確かにー」と揃えて言っていた。
アレンティーナは鬼のように目を剥きながら殴ろうとしてくる――が、直前に鋭い声が飛んでくる。
「やめるんだ!」
凛とした青年の声。
これにはさすがのアレンティーナも一旦動きを止める。
声の主を察してか否かは定かでないが、彼女は、恐る恐る振り返る。
「ら、ラムティクさま!?」
アレンティーナは衝撃を受けたようで悲鳴のような声を発した。
「君が何者かは知らないが、彼女から離れるんだ」
「あ……あ、あの……」
「すぐに離れろ!」
「ひ、ひいい……」
あれほどまでに攻撃的かつ執拗だったアレンティーナを一瞬で落ち着かせるとは、と、内心尊敬の念を抱く。
「マリエさんに手を出すとはどういうことか、説明してもらう」
「ち、違うんですっ。アレンティーナ、悪くないの! 悪いのはアレンティーナじゃなくってこの女なの!」
「何だって」
「この女が! マリエが! アレンティーナのこと虐めるのっ」
すると子どもたちが口々に真実を述べる。
「お姉たまはそんなことしないわよぉ」
「こいつ! 嘘つきだ!」
「そうだよ~。マリエさんは優しい人だもん~。虐めるなんてあり得ないよ~」
それを聞いたラムティクは共感したように数回頷き、改めて目の前のアレンティーナへと視線を向ける。
いつもの優しい彼ではない。
その目つきは鋭く剣のよう。
「マリエさんを傷つけ、さらには己の罪をマリエさんになすりつけ、君はあまりにも悪質過ぎる」
「ち、違うんですっ。ラムティクさまは騙されています! この悪女マリエに! ……アレンティーナは嘘をついたりしませんっ、なのに、なのに……ラムティクさまはアレンティーナを嘘つきと言って、一方的にマリエの味方をするのですか? そんなのっ……どうかしています!」
怪訝な顔をするラムティクにアレンティーナはそっと寄っていく。そしてその腕をラムティクの腕に絡めようとして、拒否された。一瞬かなり怖い面持ちになるアレンティーナだったが、すぐにぶりっこモードに戻る。彼女は「んもぉ、照れ屋さんですねっ」と冗談めかすが、そういうことをすればするほどラムティクの表情は怖いものに変化していく。表情、行動、そのすべてで、ラムティクはアレンティーナという人間を拒否していた。
「この後一緒に来てくれ」
「あらぁ? お誘いですかぁ? うふふ、もちろん! 行きます、行きますっ」
「聞き取り調査を行う」
「え」
「勘違いしないでくれ、個人的な誘いじゃない」
「で、でも……この後って言ったらぁ……そういうこと、ですよね?」
「違う」
「ふぇ!?」
「個人的な誘いなわけがないだろう、知り合いでもないというのに」
私の時はいきなり関わってきたけどな……、と思いつつも、そんなことは今ここで言っても意味のないことなので言わないでおいた。
「アレンティーナのぉ……魅力にぃ、気づいてくださったんじゃぁ……ないんですかぁ……?」
「そんなはずがないだろう」
「ふぇええ!?」
「……ふ。君のような子どもが見ている前で他者を傷つけようとする女性に魅力など感じるわけがない」
ラムティクの言葉を聞いた子どもたちは「確かにー」と揃えて言っていた。
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