祝福と呪いの先で君に出会えたら

1章

1 The Magician 魔女と僕の出会い

 全身に痛みが走ったーー。
はずだった。

打ち付けられるはずの身体には痛みがなかった。
恐る恐る目を開けると、そこは森の中だった。
自分は高いところから落ちて死ぬはずだった。
もしかしたら死後の世界かもしれない。自分は、行いも良くなかったから薄暗い湿った森の中いるのかもしれない。
だとしたらいつまで、この森を彷徨えばいいのだろう。
とりあえずと、歩き続けたが一向に出口は見えなかった。光も差し込まず食べられるようなものも無かった。何日歩き回っているかすら、分からなかった。

そんな時に、あの魔女に拾われたのだった。
今思うと彼女しかいない森で彼女に拾われたのは幸運だった。

安心して、意識が薄れかけたとき
僕が見た彼女の目は、何処か寂しげだった。