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クリスマスの夜は最高だった。
貴正のリクエストに応えて、蓮が常々望んでいた貴正の自宅を訪れることができた。
最初は渋っていたから、どれほどだらしないのか期待していたけど、貴正の住まいは蓮が想像していたように、どこもかしこもピカピカに磨かれ、整理整頓が行き届いていた。
パーティがお開きになって、その場のノリで一緒にベッドに飛び込んでみたものの、楽しいおしゃべりは止まらなかった。
頭の片隅にはおしゃべりではない、全く別のことが常にチラついていたのは、自分だけだったのだろうか。
会話の楽しさ以上に胸は期待に満ちていたのに、いつの間にか眠ってしまっていた。
朝になり、目が覚めて一緒に朝食をとり。
貴正は出勤、蓮は自宅へ戻る時間が迫っていた。
「改めて、クリスマスプレゼントを」
そう言って、貴正は可愛らしく七色に輝くセロファンでラッピングされた鉢植えを差し出した。
四方に広がるギザギザした葉の中央に、赤い実がなっている。クルクルと巻かれた色とりどりのリボンが竹ひごに結ばれ、数本刺さっていた。いかにもイベント用に装飾された鉢植えだ。
「昨日もらったけど」
「あれは誕生日プレゼントに。まさか今日が誕生日だとは知らなかったから」
「気にしなくて良かったのに」
クリスマスの翌日が誕生日、と昨夜告げたばかりだった。あまりにもイベントが近ずきて、毎年親から贈られる誕生日とクリスマスのプレゼントは、まとめられて一つだ。
そういうものだと思っていたから、成長と共に友人から別々にプレゼントを送られるようになって、余計にそれぞれへの喜びを感じてしまうのだ、と蓮は話した。
それを気にして、わざわざ買いに行ってくれたのか。
「先生、やばい。すっごい好き」
鉢植えを抱える貴正に抱きつく。
「話を聞いてすぐに買い物に行きたかったのに、蓮がなかなか寝ないから、駅前の花屋しか開いてなかったよ。でも見た目がクリスマスぽいからいいかな、と」
「最高……!」
「それは何より」
そのまま雰囲気に流されて、キスのひとつもできたらいいのに。
でも今はまだ、指さえ触れあえない。
自宅に帰ると、まだ母が仕事に行く準備をしているところだった。
丁度いいので、もらった鉢植えの世話を尋ねた。
部屋で大事に育てるのではなく、どうやら屋外で育てるのが正しい取り扱いらしい。
「いい物をもらったわね。今どきの高校生は気が利くのね」
よく陽の当たる玄関の横に鉢植えを置いていたら、家を出る母から声をかけられた。ついでに予備校に遅刻するなと釘も刺された。
二階に上がって、階段の右には浴室と洗面所がある。
左に蓮と妹の部屋。母親の部屋は一階のリビングの横だ。
妹の部屋は静かだった。妹も冬休みの大半は冬期講習がつまっている。まだ寝ているか、勉強しているか。わざわざ部屋に突撃して確かめる必要はない。
蓮が好き勝手に行動しているように、妹も義務さえ果たせば、自己責任で自由に行動することを許されている。
蓮は自室に入ると、真っ先にもらったばかりのイヤホンを取り出して眺めた。
貴正がくれたものだ。絶対に絶対になくせない。外では今までどおり自分が買ったものを使い、こちらは家の中だけで使うことにした。
貴正のリクエストに応えて、蓮が常々望んでいた貴正の自宅を訪れることができた。
最初は渋っていたから、どれほどだらしないのか期待していたけど、貴正の住まいは蓮が想像していたように、どこもかしこもピカピカに磨かれ、整理整頓が行き届いていた。
パーティがお開きになって、その場のノリで一緒にベッドに飛び込んでみたものの、楽しいおしゃべりは止まらなかった。
頭の片隅にはおしゃべりではない、全く別のことが常にチラついていたのは、自分だけだったのだろうか。
会話の楽しさ以上に胸は期待に満ちていたのに、いつの間にか眠ってしまっていた。
朝になり、目が覚めて一緒に朝食をとり。
貴正は出勤、蓮は自宅へ戻る時間が迫っていた。
「改めて、クリスマスプレゼントを」
そう言って、貴正は可愛らしく七色に輝くセロファンでラッピングされた鉢植えを差し出した。
四方に広がるギザギザした葉の中央に、赤い実がなっている。クルクルと巻かれた色とりどりのリボンが竹ひごに結ばれ、数本刺さっていた。いかにもイベント用に装飾された鉢植えだ。
「昨日もらったけど」
「あれは誕生日プレゼントに。まさか今日が誕生日だとは知らなかったから」
「気にしなくて良かったのに」
クリスマスの翌日が誕生日、と昨夜告げたばかりだった。あまりにもイベントが近ずきて、毎年親から贈られる誕生日とクリスマスのプレゼントは、まとめられて一つだ。
そういうものだと思っていたから、成長と共に友人から別々にプレゼントを送られるようになって、余計にそれぞれへの喜びを感じてしまうのだ、と蓮は話した。
それを気にして、わざわざ買いに行ってくれたのか。
「先生、やばい。すっごい好き」
鉢植えを抱える貴正に抱きつく。
「話を聞いてすぐに買い物に行きたかったのに、蓮がなかなか寝ないから、駅前の花屋しか開いてなかったよ。でも見た目がクリスマスぽいからいいかな、と」
「最高……!」
「それは何より」
そのまま雰囲気に流されて、キスのひとつもできたらいいのに。
でも今はまだ、指さえ触れあえない。
自宅に帰ると、まだ母が仕事に行く準備をしているところだった。
丁度いいので、もらった鉢植えの世話を尋ねた。
部屋で大事に育てるのではなく、どうやら屋外で育てるのが正しい取り扱いらしい。
「いい物をもらったわね。今どきの高校生は気が利くのね」
よく陽の当たる玄関の横に鉢植えを置いていたら、家を出る母から声をかけられた。ついでに予備校に遅刻するなと釘も刺された。
二階に上がって、階段の右には浴室と洗面所がある。
左に蓮と妹の部屋。母親の部屋は一階のリビングの横だ。
妹の部屋は静かだった。妹も冬休みの大半は冬期講習がつまっている。まだ寝ているか、勉強しているか。わざわざ部屋に突撃して確かめる必要はない。
蓮が好き勝手に行動しているように、妹も義務さえ果たせば、自己責任で自由に行動することを許されている。
蓮は自室に入ると、真っ先にもらったばかりのイヤホンを取り出して眺めた。
貴正がくれたものだ。絶対に絶対になくせない。外では今までどおり自分が買ったものを使い、こちらは家の中だけで使うことにした。
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