最強の女戦士ここにあり

田仲真尋

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オタム剣技大会~part1~

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いよいよ大会です。会場は大きな広場にて行われる模様です。そこには強そうなのがゴロゴロといます。興奮してきす。


ここはソルディウス領の街、オタムという所です。中規模な街ですが人々には活気があり、なかなか良い所です。

つい今しがた知ったばかりなのですが、ここは昔からドラゴン伝説が根付いた土地で、あちこちにドラゴンを模したオブジェや絵が飾れています。噂によればドラゴンバスターという名刀が、この街のどこかに奉納されているそうで、僕は是非とも一度それを拝見したいと願うしだいです。


しかし、まずは大会。集中してサーシャ様を応援しなくてはなりません。そうしないと後から何を言われるやら分かったものでは、ありませんからね。

僕は横断幕を張り、気合い充分に鉢巻きなどを巻いてみます。もちろんサーシャ様の名前の入ったグッズです。


「おい!やめろよピート。恥ずかしい。」


サーシャ様は、そう言っておられましたが、本当は嬉しいくせに。素直じゃないなと僕は思います。

このあと大変なお叱りを受けることになろうとは、この時の僕は全く考えてもいませんでしたが。まあ、それはどうでもいいとして、いよいよ組み合わせの発表です。


「お集まりの皆様。大変長らくお待たせ致しました。歴史のある、このオタム剣技大会へ、各地から猛者たちが今年も集まって参りました。今回も熱く激しい戦いが繰り広げられるでしょう。皆さん、この大会を街全体で盛り上げていきましょう――それでは開幕!」


代表者の挨拶の後、掲示板に対戦表が貼り出されました。出場者は、なんと百名を越えているでは、ありませんか。

これは思っていた以上に大きな大会です。三日三晩かけて優勝者を決めるというのですから体力勝負になるでしょう。

これはピンチです。サーシャ様には体力がありません。普段から筋トレをやりなさいと言ってきましたが、素直に聞くような方ではありません。これは早い段階で負けてしまうかもしれませんね。

僕は横断幕と鉢巻きを、さっさとしまいました。


「サーシャ様。一回戦のお相手は?」


僕は掲示板の前で対戦表を睨み付けるように見ていたサーシャ様に尋ねました。


「マスカルポーネクワイエット……長い。男なのか?女なのか?どっちだと思う?ピート。」


「僕は女の人だと思いますね。何となく美味しそうな名前だし。」


「そうか。じゃあ私は男だ。賭けに勝ったら豪勢な食事を用意してくれるわよね、ピート。」


「じゃあ僕が勝ったら?何をしてくれるのですサーシャ様。」


「うーん……何でもしてやるさ。」


僕の脳がフル回転し始めました。何でもとは何でもオーケーなのでしょうか!?あんなことやこんなことを妄想していると、

「あなたが私の、お相手かしら?うふ。」と、何やら顎が妙に青いスカートを履いた人が話しかけてまいりました。


「私はマスカルポーネクワイエット。よろしくね、可愛いお嬢さん。」


どっちだ!?

サーシャ様は、ガッツポーズを決め勝利を確信している様子だが、それはどっちの勝負に対してでしょうか。


「サーシャ様。彼女は女性でしたから、僕の勝ちですね。」


「ピート……どこをどう見たら、あれが、女なんだ!あれは女装している、おっさんだ!つまり男だ。私の勝ちだ。」


それは重々承知の上。ここで退いてはなりません。無理は押し通してこそ通るものです。


「いいえ。女装――女性です。あんな可憐なおっさんが居るわけありません。」


「ほう。じゃあお前、あれを抱けるか?」


「うっ!……も、もちろんです。」


「よし。それじゃあピートが一晩、あいつと過ごしたなら負けを認めようじゃないか。」


不覚です。まさかサーシャ様が、そんな提案を出してくるとは考えてもいませんでした。しかし負けを認めたくありません。僕の妄想を決して邪魔だてさせません!


「それではBブロック一回戦を始めたいと思います。サーシャ様、マスカルポーネクワイエット様。こちらへ。」


好機!


「サーシャ様。この大会では相手が死んでも構わないらしいですよ。あんなの、ぶっ殺してやってください。」


「任せておけ。」


証拠隠滅を図るしかありません。死人に口なし。あとは強引に女で通せば僕の勝ちです。

頑張れサーシャ様!

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