最強の女戦士ここにあり

田仲真尋

文字の大きさ
55 / 132

ギアン大陸

しおりを挟む
遂に僕たちはギアン大陸へと上陸を果たしました。

未知なる大陸に僕たちは心が踊りました。


「これよりは、馬車にてアトラス国の王都、キュラリスタへとご案内致しまーす。また、レト大陸へのご帰還の折りには是非とも、このテトラを指名して頂きたく存じ上げまーす。」


船を下りると、すぐに馬車が横付けしてきます。

何から何まで至れり尽くせりですね。

そこから、アトラス国の王都キュラリスタまでの意識は殆んどありませんでした。

あまりの乗り心地の良さに熟睡してしまいましたから。

昨晩、遅くまでテトラ船長と飲んでいたせいでしょうね。


「ピート、着いたわよ。早く起きて。」


サーシャ様に肩パンを喰らって僕は目覚めの悪い、目覚めをしました。


「おお!これがキュラリスタ!美しい。」


この大国の王都であるキュラリスタは、やはり栄えた町でした。

ですが、その町の中にも緑が多く配置してあり、癒しの空間を演出してありました。

センスの良い町ですね。


新鮮な気持ちで都に降り立った僕たちは宛もなく、ふらふらと町を探索しました。


「変わってないな、ここは。」


「シエルは、前に来たことあるのよね。だったら案内してよ――肉屋に。」


どうして、サーシャ様はいつもそうなのでしょうか。もう少し風情があってもよいでしょうに。この町の雰囲気を味わうのが至高。肉は、その後にでも味わえばよいのに。


「はい、着いたよ。ここが肉屋だ。」


シエルさんも案内するな、と言いたいです。


「へい、いらっしゃい!今日は何にいたしましょう。」


威勢のいい若者が出迎えます。

しかし、この男どこかで……ローラスじゃありませんか。

サーシャ様は、気付かれていないようです。

ここは、敢えて黙っておきましょうか。面白そうですし。


「一番ランクが高い、お肉ってどれ?」


「そうですね、やっぱり――ってかサーシャじゃないか!」


「えっ!えーと……どちらさま?」


本気ですかサーシャ様。ついこの間まで共に修行した仲ではないですか。


「冗談よ。お久しぶりね、ローラス。ところでローラスって肉屋さんだったっけ?」


そこは僕も気になります。

そもそも、肉屋ならば魔法剣の修行をする意味がありません。


「ハハハ、これはとんだ姿を見られちゃったな。まあ、ここだと色々と都合が悪いから、あっちへ行こう。」


僕たちはローラスと共に近くの広場に行き、芝生の上に腰を下ろしました。


「実はな俺は今、アトラスで調査を専門にして、フリーで働いているんだ。」


「調査?肉屋で何の調査してるのよ。」


「今は、肉屋の産地偽装の調査だよ。まあ、だいたい調査終了だけどな。ちなみに、あの店は白だ。」


そんなことは僕らには関係ないと思いますが。


「それでサーシャたちは……と、ところで、そちらの美しい女性は、どちら様?」


「ああ、そうか。ローラスは初対面よね。シエル、三魔人のシエルよ。」


「ええ!この、お美しい方がシエル様!?わ、私ローラスと申します。是非とも貴女の下僕にしてください。」


「苦しゅうないぞ、ローラス。せいぜい、わらわに仕えよ。」


「ははっ!」


何の茶番劇でしょうか、これは。


「それはそうと、アトラスへは何か用があってきたのか?」


サーシャ様は、だいたいの説明をローラスに話しました。


「そうか。大変だったんだな。まあ、ゆっくりしていくといいさ。」


「ローラスさ、どうせ暇でしょ。アトラスを案内してよ。」


「人を暇人みたいに言わないでくれよ。俺は明日から新たな調査依頼がきているんだ。それより逆にサーシャ達こそ暇だろ?それだったら俺の調査を手伝ってみないか。」


冗談じゃないですよ。せっかくゆっくりできるチャンスを潰させませんよ。


「ローラスさん。僕たちは修行を兼ねて来ているので。遊んでいられないんですよ。」


「だったら尚更だ。これは絶好の修行になるかもしれない。」



ローラスの次の任務は、魔物が最近頻繁に出現するという場所の調査ということでした。

その話しを聞いたサーシャ様、シエルさんは、乗り気でした。

僕は全く、やる気はありませんでしたがサーシャ様が行くと仰るのなら仕方ありません。

ここはローラスに上手く乗せられておきましょう。


「それで、その魔物の出現する場所はどこ?」


ローラスは立ち上り、遠くを指しました。


「あそこだ。」


そこには高く連なる雄大な山々か聳え立っていました。


「あれは、マゼイル山脈。ギアン大陸を縦断する山脈なんだ。」


その山脈の中腹より上には、まだ白いものが多く残っていました。

ようやく春を迎え、暖かくなってきたというのに、また寒い場所へ行かなければならないなんて、気が重くなりました。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます

天宮有
恋愛
私アリザは平民から側妃となり、国王ルグドに利用されていた。 王妃のシェムを愛しているルグドは、私を酷使する。 影で城の人達から「愚かな側妃」と蔑まれていることを知り、全てがどうでもよくなっていた。 私は我慢することをやめてルグドを助けず、愚かな側妃として生きます。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―

望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」 【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。 そして、それに返したオリービアの一言は、 「あらあら、まぁ」 の六文字だった。  屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。 ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて…… ※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

教養が足りない、ですって

たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

処理中です...