最強の女戦士ここにあり

田仲真尋

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the purpose

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フェイトフル・リアルムの国王オベリンさんは、パークさんに城壁の修復の指揮を執るように指示しました。

僕らはパークさんを残し、連合軍と共にフード平原へと向かいます。



連合軍の動きは、とても早かった。

フェイトフル・リアルムでの防衛戦から僅か一日足らずで準備を整え、フード平原へと軍を進めました。

この戦いこそが後のレト大陸の行く末を決定することを、誰もが理解しているからこそでしょう。



フード平原が見えてくると、すぐにキリエスの大軍勢が見えてきました。

対するソルディウス陣営は、フード平原から少し離れた小高い丘の上です。

あそこからなら、キリエスの動きが丸見えです。

この平原は極端にいえば、四方を高い山や小高い丘などに囲まれるような、すり鉢状の地形の、ど真ん中にあります。

なので陣を敷くには適していません。

少しの異変でも察知されやすくなりますからね。

まあ、しかしあれだけの軍勢を一挙に集めるには、この広いフード平原しかなかったのかもしれませんね。



「ピーター様、只今戻りました。」


ピーター・ドレイクは、振り返り「ご苦労」と一言、言いました。


僕らはオベリンさんと共に行動していたので、ソルディウスの王ピーター・ドレイクをこんなに近くで拝見できました。


「久しいな、ドレイク公よ。」


「しぶとく生きておったか、オベリン。」


二人は、親子ほどの年齢差があるはずですが、固く握り合った手は、それを感じさせません。

まるで、昔からの幼馴染のようでした。


「フェイトフル・リアルムでの戦い――ん?」


ピーター・ドレイクは、何かを言いかけてから、止まりました。

その視線の先にはサーシャ様。


「その瞳は、パープルアイズ。そちは、ディミトリの娘か。」


「はい。」


このやり取りは今まで散々見てきました。

相手があのピーター・ドレイクであろうと、サーシャ様は堂々とした態度で答えました。


「そうか。父とは会っているのか?」


その質問に、サーシャ様には焦りの表情が見えました。


「ピーター様。ディミトリ殿は、もう――。」


それを見ていたダマンが、すぐに助け船を出します。


「ああ、そうか。確か、ダマンお前がディミトリを倒したのであったな。」


「はい。」


「ワハハハ。ダマンよ、お前には悪いが、あの男がお前に負けるはずはない。ディミトリのことだ、どこかでピンピンして暮らしておるさ。あいつは、そういう男だ。」


これには、驚きました。

ピーター・ドレイクの言っていることは、ほぼ当たっています。

知っていたのかどうかは、定かではありませんが、そのことについては、これ以上誰も口を開きませんでした。



「それで、こちらの状況はどうなっとる?」


オベリンさんは、キリエスの陣営を見つめながら訊ねました。


「どうもこうもないさ。見ての通りだ。」


キリエスは、陣形を整えたまま動きがありません。

しかし、妙な陣形ですね。

あまり、見たことのない隊列を組んでいます。


「まったく、ドレイク三世はいったい何を考えておるのか。」


ダマンの呟きにオベリンさんや僕たちは思い出したように、ハッとしました。

そう、ドレイク三世は、もうとうに死んでいます。

そのことは、ソルディウスの面々は露知らずです。


「ドレイク公――。」


オベリンさんが真実を語ろうとした時でした。


「これは、ハメスの指示ではあるまい。」


ピーター・ドレイクが言った「ハメス」とは、ドレイク三世の名です。

ハメス・ドレイクは、ピーター・ドレイクの弟です。

本来なら兄である、ピーターがキリエスの正統な後継者なのですが、何があったのか知りませんが、世継ぎは弟のハメス・ドレイクになりました。



「いや、この戦だけではない。ここ数年のキリエスの動きには、ハメスは関わってはいないだろう。あいつのやり方にしては、無駄が多すぎる。おそらくハメスは、幽閉でもされているか、または――この世にはもう居ないかのどちらかだろう。」


この発言には、この場にいた全ての人が驚きを隠せませんでした。

もちろん、僕らは真実を知っていましたが、まさかピーター・ドレイクがそれを見越していようとは恐れ入りました。

やはり、この男はドレイク三世よりも何枚も上手だという証拠です。

しかし、キリエスの兵たちが真実を知ってくれれば話しは早いのですがね。

彼らも、まさか自分たちを操っているのが魔物だとは、当然知る訳がありませんからね。



「それよりどうした、レジェス?さっきから、うなっておるようだが。」


ピーター・ドレイクは、レジェスを見て聞きました。

そういえば先ほどから、うんうんと、唸っていますね。

お腹でも痛いのかと思っていました。


「いや、あの陣形どこかで見たことがあるような、ないような。何だったかな――何かの魔方陣だった気が……。」


「――魔方陣!?ま、まさか!」


レジェスの呟きに即座に反応したのは、シエルさんでした。

彼女は、風の魔法を使い、空高く舞い上がりました。


「こ、これは――。」


「どうしたのだ?」


レジェスは、地上からシエルさんに訊ねました。


「レジェス。ちょっとこれを見て。」


シエルさんは、そう言ってレジェスに魔法をかけ、自分と同じ位置まで高く飛ばせしました。


「何か分かったのか?」


「ええ、これを見れば貴方にも分かるでしょ。」


レジェスは、キリエスの陣形を見ました。


「おいおいおい、冗談だろ。」


僕らからは、レジェスの表情を伺えませんが、何やら驚いている様子です。


「これは――。」


「そう、これは間違いなく――。」


「究極魔法アルティミット」


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