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毒のマサラ
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続いて黒装束を脱ぎ捨てて出てきたのは、ごくごく何処にでもいるような感じの、青年でした。
見た感じの印象では好青年という感じで好感がもてるルックスをしています。
「俺はマサラだ。ガラムみたいに甘くはねえぜ、てめえら全員血祭りにしてやるからな。」
そんな見た目とは裏腹に結構な毒舌の持ち主のようです。
「ローラス、まだいける?」
「大丈夫だ、サーシャ。まだまだやれるぜ。」
そうですよ、ローラスにはあと二~三人抜いて頂きたいですからね。
僕は初めて心の底からローラスを応援しました。
「さあ、どこからでもかかってきな。』
ローラスは剣を抜き、身構えました。
「そうか、じゃあお言葉に甘えて――。」
そう言ったマサラの顔面に異変が見てとれました。
顔中の血管が異様に浮き出て眼球は充血したように真っ赤に染まっていきました。
そして口を大きく開くと、まるで蛇のような青い細長い舌をチロチロと出しました。
気持ち悪いですね。
「喰らえ、ポイズンブレス!」
すーっと息を大きく吸い込み、続いて今度は大きく吐き出しました。
すると毒々しい紫色をした息が辺りを包みこんでいきました。
「皆、これを吸い込むなよ。」
レジェスの言葉で皆が口と鼻を塞ぎました。
どうやら毒のようです。
「私にお任せください。」
ジャクリンさんが突如、皆の前に出て魔法で風を出現させました。
それによりこちらへ向かって来ていた毒を跳ね返してしまいました。
さすがはジャクリンさんです。
僕はふとシエルさんの方を見てみました。
すると、彼女は地面に伏せるように倒れこんでいました。
まったく、ジャクリンさんと同じ魔法使いのくせに、本当にポンコツな大魔法使いですね。
「ふん、まあいいさ。俺の相手はこいつだからな。こいつさえやっちまえば問題はねえ。いくぞ、ポイズンブレス、タイプスネーク!」
マサラは今一度毒を吐きました。
しかし先ほどとは違い、その毒は拡散せずに一直線にローラスへと向かっていきます。
その姿は、まるで大蛇の如しです。
「俺は風系の魔法も魔法剣も使えないが、それくらい吹き飛ばせるさ!スノーストーム!」
ローラスが鋭く剣を振ると、自分の周りを球体状に小さな吹雪を起こしました。
これなら毒を跳ね返すことができます。
「クククッ、それで俺の攻撃を防いだつもりか。」
マサラの言葉の意味を僕らはすぐに目の当たりにすることになりました。
マサラのポイズンブレスがローラスのスノーストームをすり抜けるようにして、巻きついていきます。
それは、まさに大蛇がローラスの体を締め付けているようでした。
「くっそ!思うように動けない。」
「自由を奪うだけじゃないぜ、そいつは。」
気のせいか、ローラスに巻きついている毒の蛇が少しずつローラスの体内へ入り込んでいるように見受けられます。
「な、なんだ意識が霞んでいく。力が入らない。」
「俺の毒は口や鼻からだけじゃなく皮膚からも浸入する。お前の肉体も、もってあと一分というとこだぜ。」
これは、絶体絶命です。
短い間でしたがお世話になりました。
あちらでもお元気で。
僕が心の中で、そう呟くとそれがローラスにも伝わったのか、彼はもがくのを止めました。
力を全身から抜いているような、そんな雰囲気です。
「確かにもう持ちそうもない。だったら――!」
何を思ったのかローラスは突然大きく息を吸い込み始めました。
「毒の大蛇を吸い込むつもりか!?」
この行動にはさすがに、マサラも驚きを隠せません。
「ローラス!無茶はせずに降参しなさい。」
サーシャ様、それは甘やかし過ぎですよ。
ローラスにも何か考えがあるのでしょう……たぶん。
「くっ、さすがにそろそろやばいな。だけど――。」
心なしかローラスを拘束していた毒の蛇が薄くなったような気がします。
「よ、よし。これなら。おりゃああ!」
突然ローラスが、これまで抜いていた力を全身に込めました。
すると、弾け飛ぶようにして彼を覆っていた毒が散り去ってしまいました。
「おのれ!ならば、最後はこの槍でとどめを刺してやる!」
マサラは槍を構えてローラスを討ち取りにいきます。
一方ローラスは毒の蛇からは解放されましたが、やはり毒を吸入し過ぎました。
足元はおぼつかず、おそらくは目も霞んでいることでしょう。
このままでは本当にやられてしまいます。
「死ねぇえ!」
「見えた。」
二人が接近し交わりました。
そして、何が起こったのかが、はっきりと視認できた時、皆が絶句しました。
マサラの矛先がローラスの体を貫通していたのです。
「ちっ!てめえ寸前で俺の槍の軌道を変えて、致命傷を避けやがったな。」
マサラの言葉通り、よく見ると槍は右肩辺りに突き刺さっています。
あれでは命を取るまでには至りません。
「ハァハァ、こっちはもう限界を越えちまった。ここで決める。」
確かに一命はとりとめたものの戦況はかなりまずいです。
「もう一発喰らわしてやるぜ――なっ!?抜けない。」
マサラはローラスに突き刺さった槍を引き抜こうとしました。
しかし、どうやら抜けないようです。
よく見ると、ローラスの傷口が凍っているではありませんか。
これはローラスが張った罠ということでしょうか。
「この距離ならばいける。氷剣アイスバー!」
ローラスの剣が四角い氷の塊と化しました。
この魔法剣は見たことがありません。
どうやら、とっておきみたいですね。
やっちまえ、ローラス!
「うぉおおお!」
ローラスは槍を必死になって引き抜こうとしているマサラ目掛けて思いっきりアイスバーを振りました。
ドゴッ!という鈍い音が響き渡り、マサラは後方へと大きく吹き飛ばされました。
「やったか!?」
ディミトリさんも拳を固く握りしめながら、戦況を見守ります。
「お、おのれ。許さんぞ人間!」
マサラは、しぶとく起き上がりました。
どうやらダメージは負ったものの、こちらも致命傷には至らなかった模様です。
そうなると、毒と槍での大ダメージを負ってしまったローラスが再びピンチを迎えてしまいます。
「このまま放っておけば貴様は毒で死ぬ。だが、それでは俺の気が済まん!」
マサラは今度は剣を抜き、ローラスへと一直線に突っ込みました。
「いいや、終わりだマサラよ。アイスバーに触れた者は、その瞬間から凍っていく。」
気がつくと、勢いよく襲いかかってきていた、マサラの身体は完全に氷漬けとなっていました。
そして、ローラスは最後の力を振り絞り、アイスバーで凍ったマサラに一撃を加えました。
ガラムと同様に砕け散ったマサラ。
これでローラスの勝利が確定しました。
「やるじゃない、ローラス。」
サーシャ様の声に反応するように、ローラスは薄く笑みを浮かべました。
いいですよぉ。この調子で次もやっちゃいなさい、ローラス。
ところが突然、ローラスは地面に叩きつけられるようにして、倒れてしまいました。
さすがに限界でしたか。
まあ、二人抜きあたりが彼の実力を考えれば妥当ってとこですかね。
「私の所に連れてきて。」
さっきまでダウンしていたシエルさんが、いつの間にか起き上がっていました。
「正直、この場所では私の力が発揮できない。戦うことは無理かもしれないけど、回復や治療は私に任せて。」
ローラスをシエルさんの元へと運び治療を受けさせます。
「体中に毒が広がっているわ。でも急げばまだ、間に合う。――仕方ない。」
そう言うと、シエルさんは突然ローラスに口づけをしました。
なんてこった。
羨まし過ぎますぞ、ローラス。
「おいおい、人間ごときになに、二連敗もしちゃってるわけ。情けねえな。」
次に出てきたのは、大柄の男でした。
鋭い目つきは、まるで猛獣。
こいつは、ちょっとやばそうです。
こちらからは誰が出るのでしょう。
僕!?
いやいや、それはないです。
絶対に嫌です。
「よし、私に任せておけ。」
眩いばかりの鎧に身を包み、名乗りを挙げたのは、ダマンでした。
見た感じの印象では好青年という感じで好感がもてるルックスをしています。
「俺はマサラだ。ガラムみたいに甘くはねえぜ、てめえら全員血祭りにしてやるからな。」
そんな見た目とは裏腹に結構な毒舌の持ち主のようです。
「ローラス、まだいける?」
「大丈夫だ、サーシャ。まだまだやれるぜ。」
そうですよ、ローラスにはあと二~三人抜いて頂きたいですからね。
僕は初めて心の底からローラスを応援しました。
「さあ、どこからでもかかってきな。』
ローラスは剣を抜き、身構えました。
「そうか、じゃあお言葉に甘えて――。」
そう言ったマサラの顔面に異変が見てとれました。
顔中の血管が異様に浮き出て眼球は充血したように真っ赤に染まっていきました。
そして口を大きく開くと、まるで蛇のような青い細長い舌をチロチロと出しました。
気持ち悪いですね。
「喰らえ、ポイズンブレス!」
すーっと息を大きく吸い込み、続いて今度は大きく吐き出しました。
すると毒々しい紫色をした息が辺りを包みこんでいきました。
「皆、これを吸い込むなよ。」
レジェスの言葉で皆が口と鼻を塞ぎました。
どうやら毒のようです。
「私にお任せください。」
ジャクリンさんが突如、皆の前に出て魔法で風を出現させました。
それによりこちらへ向かって来ていた毒を跳ね返してしまいました。
さすがはジャクリンさんです。
僕はふとシエルさんの方を見てみました。
すると、彼女は地面に伏せるように倒れこんでいました。
まったく、ジャクリンさんと同じ魔法使いのくせに、本当にポンコツな大魔法使いですね。
「ふん、まあいいさ。俺の相手はこいつだからな。こいつさえやっちまえば問題はねえ。いくぞ、ポイズンブレス、タイプスネーク!」
マサラは今一度毒を吐きました。
しかし先ほどとは違い、その毒は拡散せずに一直線にローラスへと向かっていきます。
その姿は、まるで大蛇の如しです。
「俺は風系の魔法も魔法剣も使えないが、それくらい吹き飛ばせるさ!スノーストーム!」
ローラスが鋭く剣を振ると、自分の周りを球体状に小さな吹雪を起こしました。
これなら毒を跳ね返すことができます。
「クククッ、それで俺の攻撃を防いだつもりか。」
マサラの言葉の意味を僕らはすぐに目の当たりにすることになりました。
マサラのポイズンブレスがローラスのスノーストームをすり抜けるようにして、巻きついていきます。
それは、まさに大蛇がローラスの体を締め付けているようでした。
「くっそ!思うように動けない。」
「自由を奪うだけじゃないぜ、そいつは。」
気のせいか、ローラスに巻きついている毒の蛇が少しずつローラスの体内へ入り込んでいるように見受けられます。
「な、なんだ意識が霞んでいく。力が入らない。」
「俺の毒は口や鼻からだけじゃなく皮膚からも浸入する。お前の肉体も、もってあと一分というとこだぜ。」
これは、絶体絶命です。
短い間でしたがお世話になりました。
あちらでもお元気で。
僕が心の中で、そう呟くとそれがローラスにも伝わったのか、彼はもがくのを止めました。
力を全身から抜いているような、そんな雰囲気です。
「確かにもう持ちそうもない。だったら――!」
何を思ったのかローラスは突然大きく息を吸い込み始めました。
「毒の大蛇を吸い込むつもりか!?」
この行動にはさすがに、マサラも驚きを隠せません。
「ローラス!無茶はせずに降参しなさい。」
サーシャ様、それは甘やかし過ぎですよ。
ローラスにも何か考えがあるのでしょう……たぶん。
「くっ、さすがにそろそろやばいな。だけど――。」
心なしかローラスを拘束していた毒の蛇が薄くなったような気がします。
「よ、よし。これなら。おりゃああ!」
突然ローラスが、これまで抜いていた力を全身に込めました。
すると、弾け飛ぶようにして彼を覆っていた毒が散り去ってしまいました。
「おのれ!ならば、最後はこの槍でとどめを刺してやる!」
マサラは槍を構えてローラスを討ち取りにいきます。
一方ローラスは毒の蛇からは解放されましたが、やはり毒を吸入し過ぎました。
足元はおぼつかず、おそらくは目も霞んでいることでしょう。
このままでは本当にやられてしまいます。
「死ねぇえ!」
「見えた。」
二人が接近し交わりました。
そして、何が起こったのかが、はっきりと視認できた時、皆が絶句しました。
マサラの矛先がローラスの体を貫通していたのです。
「ちっ!てめえ寸前で俺の槍の軌道を変えて、致命傷を避けやがったな。」
マサラの言葉通り、よく見ると槍は右肩辺りに突き刺さっています。
あれでは命を取るまでには至りません。
「ハァハァ、こっちはもう限界を越えちまった。ここで決める。」
確かに一命はとりとめたものの戦況はかなりまずいです。
「もう一発喰らわしてやるぜ――なっ!?抜けない。」
マサラはローラスに突き刺さった槍を引き抜こうとしました。
しかし、どうやら抜けないようです。
よく見ると、ローラスの傷口が凍っているではありませんか。
これはローラスが張った罠ということでしょうか。
「この距離ならばいける。氷剣アイスバー!」
ローラスの剣が四角い氷の塊と化しました。
この魔法剣は見たことがありません。
どうやら、とっておきみたいですね。
やっちまえ、ローラス!
「うぉおおお!」
ローラスは槍を必死になって引き抜こうとしているマサラ目掛けて思いっきりアイスバーを振りました。
ドゴッ!という鈍い音が響き渡り、マサラは後方へと大きく吹き飛ばされました。
「やったか!?」
ディミトリさんも拳を固く握りしめながら、戦況を見守ります。
「お、おのれ。許さんぞ人間!」
マサラは、しぶとく起き上がりました。
どうやらダメージは負ったものの、こちらも致命傷には至らなかった模様です。
そうなると、毒と槍での大ダメージを負ってしまったローラスが再びピンチを迎えてしまいます。
「このまま放っておけば貴様は毒で死ぬ。だが、それでは俺の気が済まん!」
マサラは今度は剣を抜き、ローラスへと一直線に突っ込みました。
「いいや、終わりだマサラよ。アイスバーに触れた者は、その瞬間から凍っていく。」
気がつくと、勢いよく襲いかかってきていた、マサラの身体は完全に氷漬けとなっていました。
そして、ローラスは最後の力を振り絞り、アイスバーで凍ったマサラに一撃を加えました。
ガラムと同様に砕け散ったマサラ。
これでローラスの勝利が確定しました。
「やるじゃない、ローラス。」
サーシャ様の声に反応するように、ローラスは薄く笑みを浮かべました。
いいですよぉ。この調子で次もやっちゃいなさい、ローラス。
ところが突然、ローラスは地面に叩きつけられるようにして、倒れてしまいました。
さすがに限界でしたか。
まあ、二人抜きあたりが彼の実力を考えれば妥当ってとこですかね。
「私の所に連れてきて。」
さっきまでダウンしていたシエルさんが、いつの間にか起き上がっていました。
「正直、この場所では私の力が発揮できない。戦うことは無理かもしれないけど、回復や治療は私に任せて。」
ローラスをシエルさんの元へと運び治療を受けさせます。
「体中に毒が広がっているわ。でも急げばまだ、間に合う。――仕方ない。」
そう言うと、シエルさんは突然ローラスに口づけをしました。
なんてこった。
羨まし過ぎますぞ、ローラス。
「おいおい、人間ごときになに、二連敗もしちゃってるわけ。情けねえな。」
次に出てきたのは、大柄の男でした。
鋭い目つきは、まるで猛獣。
こいつは、ちょっとやばそうです。
こちらからは誰が出るのでしょう。
僕!?
いやいや、それはないです。
絶対に嫌です。
「よし、私に任せておけ。」
眩いばかりの鎧に身を包み、名乗りを挙げたのは、ダマンでした。
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