最強の女戦士ここにあり

田仲真尋

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巨獣タラゴン

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さあ三人目です。

相手は大柄の男です。

そういう意味でいえば、こちらのダマンも大きな体格をしています。

重量級の勝負になりそうですね。


「俺はタラゴンだ……ってか、なんだお前のその眩しい派手な鎧はよ。」


「私は黄金の剣士ダマン。この鎧のことは気にするな、これは男のロマンだからな。」


いや、それはたぶん違うと思いますよ、ダマンさん。


「俺たちもこれ以上黙って負ける訳にはいかねえ。最初から全力でいくぞ!」


「むろんだ、こい!」


タラゴンは突然、唸り声のようなものを上げました。

そして次の瞬間、僕らは目を疑いました。

タラゴンの身体が三倍――いや、もっとです、巨大化していくではありませんか。

それだけではありません。

今までは普通の人間の姿をしていましたが、まるで獣のような出で立ちへと変化していきました。

大きな口に鋭い歯、爪なんてまるで槍の矛先です。皮膚は硬そうで、尻尾は極太い。これはもう恐竜とよんでもおかしくありません。

たびたび思い知らされます。この者たちは特殊な能力を秘めた魔物だということを。


「図体がでかいだけの獣に、この私が負けるはずがない。」


ダマンが先制攻撃をしかけていきます。

剣を抜き、素早い動きで宙へ飛び上がりました。

あの体格に重そうな鎧を身につけていながら、なんという俊敏性でしょうか。

ダマンはタラゴンの首辺りまで跳ねあがり、その首へと剣を振りました。


「その首もらったぞ!」


これは早々と勝敗が喫しそうです。


「落としてみな。」


ガキィン!


嫌な鈍い音がこだまします。

その時、攻撃を放ったダマンの体が後方へと吹き飛びました。


「な、なんという硬さだ。」


「そんな攻撃、俺には効かないぜ。今度はこっちからだ。」


タラゴンは、まだ地上に降りきれていないダマンに対し、その太い尻尾を振り攻撃を放ちました。


「グハッ!」


強烈な一撃はダマンを捉えました。

空中では避けることも防ぐこともできずに、ダマンは大きく飛ばされてしまいます。

ようやく地上へ叩きつけられるように、ダマンが着地すると黄金の鎧がガシャガシャと激しい音を立てて、止まりました。


ピクリとも動かないダマン。

これは、死んでしまったのでしょうか。


「なんだ、もう終わりか。あっけねえな、おい。」


タラゴンは余裕綽々にダマンへと近づいていきます。

その時でした。突如、ダマンはむくりと起き上がり、剣を突き立てました。

その攻撃がタラゴンの喉を掠めました。


「ちっ、ふざけやがって。」


「当たらぬ、か。」


再び対峙した両者。

次はタラゴンが先に動きました。


「その自慢の鎧を砕いてやるぞ!」


タラゴンの尻尾攻撃です。

地を這うように尻尾を動かし、ダマンへと襲いかかります。

しかし、ダマンも冷静にそれを必要最小限にとどめ飛んでかわしてみせました。


「チャンス。」


タラゴンは笑みを浮かべ、そして高速でダマンとの距離を狭めました。

そして、その鋭い爪をダマンの黄金の鎧に突き刺さしました。


「ぬっ!」


これにはダマンもなす術がありません。

腹辺りに突き刺さった爪がダマンの鎧を突き破りました。


「お、おのれ。」


「しぶてえ野郎だな。だが、その出血ではまともに動けまい。」


タラゴンは再び尻尾での攻撃を仕掛けます。

今度はダマンも頭では分かっていても体がついていかず、避けれません。


「ぐっ!」


ダマンにクリーンヒットして彼は大きく弾け飛ばされます。


「次で最後だ。」


タラゴンの狂暴な爪が再びダマンの腹部に刺さります。

その箇所は、さっき黄金の鎧が砕かれたところ。

これではダマンも、ひとたまりもありません。


「ハハッ!決まった――んっ!?」


よく見ると、タラゴンの腕をダマンが握りこんでいます。

しかし、タラゴンは容赦なく爪を深く差し込もうと力を入れます。


「悪あがきはやめろ。」


タラゴンは力を込めるために身を屈めるようにして、更に力を奮いました。


「お、お前の皮膚は硬い。私の刃では到底斬れない。」


突然ダマンは呟くように喋り始めました。


「だが、そうでない部分もある。お前、本人が知っているのかどうかは知らんがな――ここだ!」


ダマンの剣がタラゴンの喉へと食い込みました。


「ぐおおぉぉお!」


これがタラゴンの断末魔となりました。

そういえば最初の攻撃を受けたダマンが死んだふりをして奇襲をかけた時に喉元をかすりましたね。

その時についた傷が攻略のヒントとなったのでしょう。

もちろん僕は最初から気づいていましたよ……そうですとも。


「これで私の勝ちだ。」


ダマンは力なく勝利宣言をしました。

しかし、彼のほうも大きな損傷を負ってしまいました。

間違いなく次は戦えないでしょう。


ディミトリさんやレジェス、更にいえばサーシャ様もこの戦いでは温存しておきたいところですからね。

シエルさんは使い物にならないし、これは是非ともジャクリンさんとフォックスに踏ん張って頂かなければなりませんね。

今のうちに二人の応援のため横断幕でも作成しておきましょう。


「さてさて、こちらは三人を失い、そちらは二人か。ここは一気に逆転を狙いたいものだな。」


次に前へと出てきた男は長身で長髪の男でした。

その長い黒髪は地面につくかつかない程に長く伸びていました。

実に不潔な野郎ですね。


「ここで提案だ。今回の戦いは二対二のタッグマッチ、というのはいかがかな。」


なにやら怪しげな提案を投げかけてきましたね。

ここで勝てればあちは、残り二体とゼインのみ。

しかし、負ければ奴の言うように勝ち越されてしまいます。


「こちらが勝った場合、その二人はそのまま次の戦いも参戦できるのか?」


「ああ、構わないよ。死んでなければ勝ったほうが二人とも次の戦いを続行しても。」


フォックスは、にやりとして、

「よし、ならば私が出よう。」と、名乗りをあげました。


「フ、フォックス様がお出になるのならば、私も出ます。」


ジャクリンさんは目をハート型にしながら、手を挙げました。

まったく動機が不純ですね。

まあ、でもタイプ的に見ると悪くないコンビかもしれませんね。

フォックスは物理攻撃を得意としています。

かたや、魔法使いのジャクリンさん。

はまれば、いいコンビネーションが出来そうですね。


「よし、決まりだ。早速始めるとしようぜ。」




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