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レジェスVsモルドス
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この戦い――いや、僕らの運命を決める戦いはレジェスへと託されました。
正直、どちらが勝つかは現時点では不明です。
ですが僕たちはレジェスを信じています。
「ファイア!」
突然レジェスは攻撃魔法を放ちました。
これには皆が驚きましたが、モルドスは平然と右腕を前に出し、手を広げます。
そして、レジェスの魔法はあっけなくモルドスの掌へと吸い込まれていきました。
「何のつもりだ、これは。」
モルドスがそう言った瞬間、すでにレジェスはモルドスの懐へと剣を抜いて潜りこんでいました。
レジェスは臆することなくモルドスの間合いへと侵入し、剣を振ります。
しかし、モルドスも冷静にその攻撃を片腕で止めてみせました。
一瞬の攻防ですが息を飲むほど鋭い戦いに、僕らは見とれてしまいました。
「なるほど――では、これで。」
レジェスは今度は後方高く後ろ向きのまま跳ね上がります。
「ゆくぞ、不死鳥フェニックス」
これには度胆を抜かれました。
サーシャ様の魔法剣をちょっと見ただけで再現してみせたのです。
一番驚いたのはサーシャ様本人でしょう。
目を丸くしてその光景を見ておられます。
しかし……。
「ほう、サーシャと同じ技か。だがお前はさっきの結果を見ていなかったのか。」
サーシャ様の紫色のフェニックスはモルドスの凄まじいパンチで吹き飛びましたが、レジェスが出したのは通常の真っ赤な炎に包まれた火の鳥でした。
モルドスは先ほどと同じく右腕を出し、吸い込むつもりの様です。
そして結果は最初のファイアと同じくモルドスの手中へと溶けていきました。
「やはりか。」
「お前は面白い男だ。剣士のくせに魔法ばかりで攻めてくる。」
まあ、レジェスに関しては純粋な剣士とは少し異なります。
魔法が得意な剣士といったところでしょうか。
「あ、あれは!?」
さっきまで不慣れな土地で魔力を使いすぎて完全にグロッキーと化していたシエルさんが突然声を上げました。
「どうした、シエル。」
その挙動に何かを感じとったディミトリさんが訊ねました。
「あの掌にある刻印。あれは古代魔法の一つ、吸引魔法の印。」
吸引魔法!?
初めて聞きましたが、おそらくその名の通り魔法を吸引してしまう系統の魔法でしょう。
「それはどういった魔法なのだ?」
「私も見るのは初めてだから詳しくは分からないけど、あれは吸引魔法の中でもそんなに高度なものではないと思うわ。高度な吸引魔法ならば刻印はもっと複雑で壮大なものになる。それに吸いとった魔力を自分の魔力として使えるはずよ。だけどモルドスの吸引魔法にはその効果はなさそうね。あれは単純に相手の攻撃魔法を無効化するためのものみたいね。」
なるほど。それならよかった――とは、なりません。
つまり物理攻撃しか効かないという訳です。
ですが自分にかける強化魔法ならば有効なはず。
そういった戦いに持ち込まなければ勝機はありませんよ、レジェス。
「ふむふむ、なるほどなるほど。やはりそうか。ならば――。」
レジェスは何かを悟ったような顔つきで独り言を呟いていました。
そして何を思ったのか突然またしてもフェニックスを放ったのです。
「レジェス!無駄だ!」
サーシャ様もさすがに声を出さずにはいられませんでした。
と、ここで僕はあることに気づきました。
それはレジェスの手に剣が無いということにです。
フェニックスを放った時には手元にあったはずの剣が消えていたのです。
「下らぬ。何度やっても同じこと――!な、なに!?」
フェニックスを吸い込もうと掌を広げていたモルドスが突然、腕を押さえ片膝をついてしまいました。
よく見るとモルドスの掌にレジェスの剣が突き刺さっているではありませんか。
「おのれ、貴様。魔法の中に剣を仕込んでいたな。」
「その通りだ。単純なことだ。貴様が私の魔法剣を吸い込もうとするのは確実だ。だったらそこに物理的な武器を同時に投げ込んでおけばお前は自滅する。私の頭脳の勝利だ、ワハハハ!」
やりました。
彼は戦いながら敵をじっくりと見ています。
その観察力はサーシャ様とは雲泥の差です。
やはり経験がものをいいます。
さすがはレジェスです。
「よかろう。こんなものを使っていた我に非がある。これは返してやろう。」
モルドスは掌に刺さった剣を抜き、レジェスへと投げ返しました。
「あっ、どうも。」
「少し見くびっていたようだ。ここからは真剣に相手をしてやろう。」
正直なところモルドスにとって吸引魔法も遊びの一つだったのかもしれません。
しかし、手傷を負わせたことは事実。
本当の勝負はこれからなのかもしれません。
「よろしくお願いします。では――ディビジョンソード!」
レジェスの剣からもう一本同じ剣が現れました。
これは魔法、もしくは手品ですね。
「ゆくぞ!」
二刀流となったレジェスはモルドスへと突撃開始です。
そして、モルドスの間合いに入ると一旦止まって魔法を唱え始めました。
「スチームドラゴン!」
レジェスの魔法がモルドスへと襲いかかります。
しかしモルドスは落ち着いている様子。
だけど吸引魔法はもう使えないはずです。
「蒸気とはいえ喰らえば全身が溶ける程の威力だぞ。」
「我が魔法対策の為に吸引魔法を使っていたと思っているのならば甘いぞ。」
モルドスはレジェスの魔法攻撃に対し拳を振り抜きました。
これはサーシャ様のパープルフェニックスを粉砕したものです。
「ふんっ!」
そのパンチ一つでまたもやレジェスの魔法を吹き飛ばしました。
やはりモルドスには魔法攻撃は通じないのでしょうか。
そして、これまたサーシャ様の戦闘時同様、その風圧がレジェスにも届き、吹き飛ばされてしまいました。
「ほう、今のはフェイクか。」
モルドスは不意に上方を見上げました。
なんと、そこにはレジェスの姿。
ではさっき飛ばされたのは何だったのでしょうか。
その答えはすぐに解決されました。
空中からの攻撃は逃げ場がありません。
そこにモルドスはすかさずパンチを放ちました。
その瞬間でした。
「シャドーウォーリア!」
レジェスの体が真っ黒になりそのまま空高く打ち上げられました。
「これも偽物。本体はそこ!」
どうやらレジェスの魔法で分身体を作って身代わりにしていた模様です。
そして振り向き様にモルドスはまたパンチを繰り出します。
「レッグマジック!」
そのパンチを下から蹴り上げ、パンチの軌道を跳ね上げました。
どうやら、レジェスは強化魔法を使ったみたいですね。
さらにレジェスの攻撃は続きます。
今度は剣にてモルドスを攻め立てます。
二刀流ということもありその手数は半端ではありません。
その攻撃をモルドスも両腕で弾き返していきます。
「ブラックブラスト!ディビジョンソード!」
レジェスは魔法剣で攻撃をしかけたように見せかけ、魔法剣を直前で解除し魔法を発動させ、瞬時にまた魔法剣を出現させていました。
こんな戦い方は初めて見ました。
どれだけ高等なことをやってのけているのかすら想像もつきません。
モルドスはその黒い爆風を両腕でガードしました。
しかし黒い煙が立ち込め視界がききません。
とはいえモルドスは元々視覚がありません。
あまりそこには期待しないほうかよさそうです。
「――くっ!」
「もらった。白金の剣!」
煙が晴れ、その姿が現れた時、誰もが声を出しました。
そこには左腕を切り落とされたモルドスの姿があったのでした。
正直、どちらが勝つかは現時点では不明です。
ですが僕たちはレジェスを信じています。
「ファイア!」
突然レジェスは攻撃魔法を放ちました。
これには皆が驚きましたが、モルドスは平然と右腕を前に出し、手を広げます。
そして、レジェスの魔法はあっけなくモルドスの掌へと吸い込まれていきました。
「何のつもりだ、これは。」
モルドスがそう言った瞬間、すでにレジェスはモルドスの懐へと剣を抜いて潜りこんでいました。
レジェスは臆することなくモルドスの間合いへと侵入し、剣を振ります。
しかし、モルドスも冷静にその攻撃を片腕で止めてみせました。
一瞬の攻防ですが息を飲むほど鋭い戦いに、僕らは見とれてしまいました。
「なるほど――では、これで。」
レジェスは今度は後方高く後ろ向きのまま跳ね上がります。
「ゆくぞ、不死鳥フェニックス」
これには度胆を抜かれました。
サーシャ様の魔法剣をちょっと見ただけで再現してみせたのです。
一番驚いたのはサーシャ様本人でしょう。
目を丸くしてその光景を見ておられます。
しかし……。
「ほう、サーシャと同じ技か。だがお前はさっきの結果を見ていなかったのか。」
サーシャ様の紫色のフェニックスはモルドスの凄まじいパンチで吹き飛びましたが、レジェスが出したのは通常の真っ赤な炎に包まれた火の鳥でした。
モルドスは先ほどと同じく右腕を出し、吸い込むつもりの様です。
そして結果は最初のファイアと同じくモルドスの手中へと溶けていきました。
「やはりか。」
「お前は面白い男だ。剣士のくせに魔法ばかりで攻めてくる。」
まあ、レジェスに関しては純粋な剣士とは少し異なります。
魔法が得意な剣士といったところでしょうか。
「あ、あれは!?」
さっきまで不慣れな土地で魔力を使いすぎて完全にグロッキーと化していたシエルさんが突然声を上げました。
「どうした、シエル。」
その挙動に何かを感じとったディミトリさんが訊ねました。
「あの掌にある刻印。あれは古代魔法の一つ、吸引魔法の印。」
吸引魔法!?
初めて聞きましたが、おそらくその名の通り魔法を吸引してしまう系統の魔法でしょう。
「それはどういった魔法なのだ?」
「私も見るのは初めてだから詳しくは分からないけど、あれは吸引魔法の中でもそんなに高度なものではないと思うわ。高度な吸引魔法ならば刻印はもっと複雑で壮大なものになる。それに吸いとった魔力を自分の魔力として使えるはずよ。だけどモルドスの吸引魔法にはその効果はなさそうね。あれは単純に相手の攻撃魔法を無効化するためのものみたいね。」
なるほど。それならよかった――とは、なりません。
つまり物理攻撃しか効かないという訳です。
ですが自分にかける強化魔法ならば有効なはず。
そういった戦いに持ち込まなければ勝機はありませんよ、レジェス。
「ふむふむ、なるほどなるほど。やはりそうか。ならば――。」
レジェスは何かを悟ったような顔つきで独り言を呟いていました。
そして何を思ったのか突然またしてもフェニックスを放ったのです。
「レジェス!無駄だ!」
サーシャ様もさすがに声を出さずにはいられませんでした。
と、ここで僕はあることに気づきました。
それはレジェスの手に剣が無いということにです。
フェニックスを放った時には手元にあったはずの剣が消えていたのです。
「下らぬ。何度やっても同じこと――!な、なに!?」
フェニックスを吸い込もうと掌を広げていたモルドスが突然、腕を押さえ片膝をついてしまいました。
よく見るとモルドスの掌にレジェスの剣が突き刺さっているではありませんか。
「おのれ、貴様。魔法の中に剣を仕込んでいたな。」
「その通りだ。単純なことだ。貴様が私の魔法剣を吸い込もうとするのは確実だ。だったらそこに物理的な武器を同時に投げ込んでおけばお前は自滅する。私の頭脳の勝利だ、ワハハハ!」
やりました。
彼は戦いながら敵をじっくりと見ています。
その観察力はサーシャ様とは雲泥の差です。
やはり経験がものをいいます。
さすがはレジェスです。
「よかろう。こんなものを使っていた我に非がある。これは返してやろう。」
モルドスは掌に刺さった剣を抜き、レジェスへと投げ返しました。
「あっ、どうも。」
「少し見くびっていたようだ。ここからは真剣に相手をしてやろう。」
正直なところモルドスにとって吸引魔法も遊びの一つだったのかもしれません。
しかし、手傷を負わせたことは事実。
本当の勝負はこれからなのかもしれません。
「よろしくお願いします。では――ディビジョンソード!」
レジェスの剣からもう一本同じ剣が現れました。
これは魔法、もしくは手品ですね。
「ゆくぞ!」
二刀流となったレジェスはモルドスへと突撃開始です。
そして、モルドスの間合いに入ると一旦止まって魔法を唱え始めました。
「スチームドラゴン!」
レジェスの魔法がモルドスへと襲いかかります。
しかしモルドスは落ち着いている様子。
だけど吸引魔法はもう使えないはずです。
「蒸気とはいえ喰らえば全身が溶ける程の威力だぞ。」
「我が魔法対策の為に吸引魔法を使っていたと思っているのならば甘いぞ。」
モルドスはレジェスの魔法攻撃に対し拳を振り抜きました。
これはサーシャ様のパープルフェニックスを粉砕したものです。
「ふんっ!」
そのパンチ一つでまたもやレジェスの魔法を吹き飛ばしました。
やはりモルドスには魔法攻撃は通じないのでしょうか。
そして、これまたサーシャ様の戦闘時同様、その風圧がレジェスにも届き、吹き飛ばされてしまいました。
「ほう、今のはフェイクか。」
モルドスは不意に上方を見上げました。
なんと、そこにはレジェスの姿。
ではさっき飛ばされたのは何だったのでしょうか。
その答えはすぐに解決されました。
空中からの攻撃は逃げ場がありません。
そこにモルドスはすかさずパンチを放ちました。
その瞬間でした。
「シャドーウォーリア!」
レジェスの体が真っ黒になりそのまま空高く打ち上げられました。
「これも偽物。本体はそこ!」
どうやらレジェスの魔法で分身体を作って身代わりにしていた模様です。
そして振り向き様にモルドスはまたパンチを繰り出します。
「レッグマジック!」
そのパンチを下から蹴り上げ、パンチの軌道を跳ね上げました。
どうやら、レジェスは強化魔法を使ったみたいですね。
さらにレジェスの攻撃は続きます。
今度は剣にてモルドスを攻め立てます。
二刀流ということもありその手数は半端ではありません。
その攻撃をモルドスも両腕で弾き返していきます。
「ブラックブラスト!ディビジョンソード!」
レジェスは魔法剣で攻撃をしかけたように見せかけ、魔法剣を直前で解除し魔法を発動させ、瞬時にまた魔法剣を出現させていました。
こんな戦い方は初めて見ました。
どれだけ高等なことをやってのけているのかすら想像もつきません。
モルドスはその黒い爆風を両腕でガードしました。
しかし黒い煙が立ち込め視界がききません。
とはいえモルドスは元々視覚がありません。
あまりそこには期待しないほうかよさそうです。
「――くっ!」
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