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戦いの爪痕~中編~
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爽やかな風が吹き、木々を揺らす。
緑が多い、この都は一見すると穏やかな雰囲気を漂わせているように感じる。
しかし、それは平穏な日々だからこそ得られる、人々の癒し。
今の現状で、それを望むことは決して叶わないだろう。
ここは、アトラス国の王都「キュラリスタ」である。
私とフォンダン、それにクディエスの孫、クライシスの三人がキュラリスタに入ったのは、クスの村を出た翌日の夕刻頃であった。
「これはすごいな。」
都に入る少し前から、やたらとアトラス兵を見掛けたきたが、この都では城に近づくにつれ、兵士の数は増えているように思えた。
城門は開かれ、兵士たちが所狭しと、詰めかけている。
私たちは人混みに紛れ、なんとか城門を抜けた。
城の前の広場には、これまたアトラス兵で溢れかえっていた。
それでも、このアトラス兵は、ごく一部だというから驚きだ。
大半の軍勢は近くの草原にて陣を張り、王からの出撃命令を待っているということであった。
「さて、どうやって王に会うか、だね。」
どうする事もできない状況の私たちは、シンプルに城の衛兵に尋ねてみた。
「あの、国王様にお会いしたいのですが……無理ですよね?」
「あ、あたり前だ!一体なんなんだ、お前たちは?」
「申し遅れました。私、フォンダンと申します。妻のハーブティーが国王様に謁見させて頂いていると思うのですが。」
「何を言っているのか、さっぱり分からん。これ以上ごねると、全員不審者扱いで投獄するぞ。」
「し、しつれいしました。」
私は……思った。
フォンダンさん、しっかりしてくれ、と。
「これからどうしよう。ハーブが来ている筈なんだけどな。」
フォンダンが、そう言ったその時だった。
急に兵たちがざわめき始めたのだ。
皆の視線は城の上部に向け注がれていた。
「聞けい!皆の者!」
城の最上階に近い所に、姿を見せたのはアトラス国、国王ボルス・モートラルである。
「明日、レガリアを滅ぼすべく出陣せよ!そして、クレイヴも滅ぼせ!我らに、楯突く者全てを滅ぼせ!」
モートラル国王によって遂に出兵の命が下った。
しかし、アトラスの兵士たちには、どこか戸惑いの様子が見受けらた。
「おや?アトラス兵は士気が高いと聞いていたが。」
私は、周囲の様子に違和感をおぼえた。
「この雰囲気は予想外だったね。」
フォンダンは上を見上げ、モートラル国王を眺めた。
すると、クライシスが前に出て、
「やりますか?ここからなら俺の矢で、あいつを仕留める事ができますよ。」と、弓に手をかけた。
「止めといたほうがいい。もし、やれたとしても、それでアトラスの兵たちの士気は一気に高まるだろう。君は、ここの全兵士を相手に戦えるかい?僕には無理だ。」
フォンダンの話しに、クライシスは黙ったまま首を振った。
「私ならやれる!」と、声を大にして言いたかったが、空気を読んで押し黙った。
「それが賢明だ。」
突然現れ、声をかけてきたのはハーブティーであった。
「出おったな。ハーブティー。」と、私はフォンダンの後ろに、すっと移動した。
「ハーブ、会えてよかった。それで、どうだった?国王とは話せたのかい?」
「いいや。話しどころか、門前払いさ。」
「そうか……他に打つ手は……。」
「そっちのほうは――クレアは、どうした?」
ハーブティーは周囲に声が漏れないよう小声で聞いた。
フォンダンはハーブティーに寄り、これまでの経緯を説明した。
私は二人の話が終わるのを、ボーッと待つ。
すると、私の元へクライシスが寄ってきて、
「あ、あの。俺、昔じいちゃんの所で、あなたが修業しているのを見ていたんです。それで、その姿を見て自分も修業を始めました。俺……あなたに憧れていたんです。」
クライシスは照れた様子で話した。
「な、なんという素直で良い子なのだ!よし、私が君を守ってやるぞ。」と、私は心に誓った。
その後、フォンダンとハーブティーが戻り、私たち四人は、その場にて立ち尽くしていた。
「これから、どうしたものか。」
ハーブティーの問いかけに、誰も答えられない。
その時、私は重要なことを思い出した。
そして皆を、その場に残し、急ぎ走った。
「どうしちゃったんだろう?」
フォンダンの、その問いかけにも二人は何も答えられなかった。
私は兵士たちの間を、すり抜けるように走り回り、そしてようやく見つけ出した。
私の目的である、その男の手を引き、ハーブティーたちの元へ戻ったのは一時間程してからであった。
「戻ってきた。」
クライシスの声に、フォンダンとハーブティーは振り返った。
「な、なんか凄く、厳つい人を連れてきてるんだけど、ハーブ知ってる?」
「いや知らん。」
私は、その男を皆の前へと押し出した。
「あなたは、もしかしてハーブティー殿でございませんか?」
「そうだが。あんたは?」
「やはり。私はアトラス国、将軍ゼルフィと申します。」
「ゼルフィといば大陸全土に知れ渡った、剣士ではないか。」
と、ハーブティーは驚いた表情を見せた。
「俺だって知ってるよ。すげー!」と、クライシス。
「それで、ゼルフィ将軍は彼と、お知り合いで?」と、フォンダン。
「ええ、古い付き合いでして。こやつは、私の愛弟子なのです。
」
「ええ!」と、フォンダンとクライシスは心底、驚いていた。
「まったく、お前には一体何人の師匠がいるんだ。」と、ハーブティーは呆れ顔だ。
「まあ、そう言わないであげてください。こやつは、そうやってしか生きてゆけなかったのですから。」
「それは一体どういう意味ですか?」と、フォンダンが訊ねた。
「知らないのですか?こやつは――」
私はゼルフィの肩に手をかけた。
「ハハハ、失敬。ちょっと喋りすぎましたな。あとは本人にでも聞いてください。それで本日は、どんな用件でこちらへ?」
ゼルフィへの説明はフォンダンが行った。
「――なるほど。やはりそうでしたか。」
「知っていたのですか?」
「いや、知らなかった。だが先ほどの国王様の言葉を聞いた、アトラスの兵士ならば誰でも不審に思うでしょう。違いますかな、ハーブティー殿。」
「ああ。モートラルは、あの様なことを言う人物では決してない。つまり、あれは国王本人ではない。もしくは身体を別の何かに乗っ取られ、操られている可能性が極めて高いと、言える。」
ハーブティーの言葉に、ゼルフィは力強く頷いてみせた。
「そこで、ゼルフィ殿に頼みがある。」
「ハーブティー殿の頼みは、王に会わせろ、ということですな。分かりました、お任せください。」
今度はハーブティーが力強く頷いた。
ゼルフィ将軍の、はからいで私たちは国王モートラルと対面することになった。
「どうぞ、中へ。」
ゼルフィの案内のもと、王の居る部屋へと足を踏み入れた。
玉座には、モートラル王が俯いたまま、座っていた。
「これは!」
フォンダンは、すぐにマディルでの、クレアとの姿を重ね合わせた。
「おい、貴様。何者だ!」
ハーブティーの問いかけに、モートラル王からの反応はなかった。
次の瞬間、突然クライシスが国王に向け矢を放った。
「おい、何を!」
ゼルフィは焦った。
しかし、その矢は国王が素手で弾き飛ばした。
そして、ゆっくりと顔を上げた。
モートラル国王の眼球は、底知れぬ闇のように、真っ黒であった。
「なに!」
驚いたのはゼルフィと、矢を放ったクライシスであった。
フォンダンとハーブティー、それに私は確信した。
やはりモートラル国王はクレアと同じく操られている、と。
モートラル国王は立ち上がり、丸腰のまま突進してきた。
「ここは僕がやる。経験者だからね。」
そう言ってフォンダンは、
「邪悪なる者を、その力で祓いたまえ――プリフケーションソード!」
フォンダンの剣が唸りを上げ、モートラルを斬った。
するとクレアの時、同様モートラルの眼球から黒みが消えた。
そして、倒れかけた国王モートラルをゼルフィが受け止める。
その、モートラルの後ろには不気味に蠢く黒い影。
フォンダンは、
「我が剣に炎を灯せ――フレームソード!」と、唱えて、己の剣に炎を宿して攻撃した。
黒い影は真っ二つになり、激しく燃えた。
「ふっふっふっ。なかなかやりますね、人間たちよ。」と、 炎の中から声がした。
そして、燃え盛る炎の中から現れたのは、一人の男だった。
見た限りでは普通の人間の優男である。
しかし、よく見ると男の口の両端には、頬まで伸びる痛々しい傷
……まるで、口が裂けているようだ。
「どうも。メフィスと申します。」
「おのれ、魔王か!」と、 ゼルフィはモートラルを抱えたまま、叫んだ。
「魔王!?ハハハ。」
「なにがおかしい!」
「いや、失礼。魔王などという呼び名は、あなたたち人間が付けたものだ。私らの概念に、そういったものはありませんから。ですからこれまで、あなた方が倒してきたイカルスやバロールを魔王などと呼び、恐れていた人間たちが、私には滑稽で仕方なかったんですよ。」
「なんにせよ、今回の騒動の原因は全て、お前だということで間違いないのだな。」
ハーブティーはメフィスに詰め寄った。
「ええ、もちろん。その通りですよ。」
メフィスは、まるでゲーム感覚で飄々としていた。
私は――いや、私たちは頭にきた。
「人間を玩具扱いしやがって。私が、ぶん殴ってやる」と、私は前に出ようとした。
しかし、それを遮るように、
「まずは、僕がやる。人間を敵に回したことを後悔させなくちゃね。」
私には分かった。
フォンダンさんが本気で怒っていることを。
「我が剣に宿りたまえ、光の神よ――レイブレイド!」
神々しい光に包まれた、フォンダンの剣は眩いばかりの光を放った。
「さあ、いくよ。悪魔め!」
緑が多い、この都は一見すると穏やかな雰囲気を漂わせているように感じる。
しかし、それは平穏な日々だからこそ得られる、人々の癒し。
今の現状で、それを望むことは決して叶わないだろう。
ここは、アトラス国の王都「キュラリスタ」である。
私とフォンダン、それにクディエスの孫、クライシスの三人がキュラリスタに入ったのは、クスの村を出た翌日の夕刻頃であった。
「これはすごいな。」
都に入る少し前から、やたらとアトラス兵を見掛けたきたが、この都では城に近づくにつれ、兵士の数は増えているように思えた。
城門は開かれ、兵士たちが所狭しと、詰めかけている。
私たちは人混みに紛れ、なんとか城門を抜けた。
城の前の広場には、これまたアトラス兵で溢れかえっていた。
それでも、このアトラス兵は、ごく一部だというから驚きだ。
大半の軍勢は近くの草原にて陣を張り、王からの出撃命令を待っているということであった。
「さて、どうやって王に会うか、だね。」
どうする事もできない状況の私たちは、シンプルに城の衛兵に尋ねてみた。
「あの、国王様にお会いしたいのですが……無理ですよね?」
「あ、あたり前だ!一体なんなんだ、お前たちは?」
「申し遅れました。私、フォンダンと申します。妻のハーブティーが国王様に謁見させて頂いていると思うのですが。」
「何を言っているのか、さっぱり分からん。これ以上ごねると、全員不審者扱いで投獄するぞ。」
「し、しつれいしました。」
私は……思った。
フォンダンさん、しっかりしてくれ、と。
「これからどうしよう。ハーブが来ている筈なんだけどな。」
フォンダンが、そう言ったその時だった。
急に兵たちがざわめき始めたのだ。
皆の視線は城の上部に向け注がれていた。
「聞けい!皆の者!」
城の最上階に近い所に、姿を見せたのはアトラス国、国王ボルス・モートラルである。
「明日、レガリアを滅ぼすべく出陣せよ!そして、クレイヴも滅ぼせ!我らに、楯突く者全てを滅ぼせ!」
モートラル国王によって遂に出兵の命が下った。
しかし、アトラスの兵士たちには、どこか戸惑いの様子が見受けらた。
「おや?アトラス兵は士気が高いと聞いていたが。」
私は、周囲の様子に違和感をおぼえた。
「この雰囲気は予想外だったね。」
フォンダンは上を見上げ、モートラル国王を眺めた。
すると、クライシスが前に出て、
「やりますか?ここからなら俺の矢で、あいつを仕留める事ができますよ。」と、弓に手をかけた。
「止めといたほうがいい。もし、やれたとしても、それでアトラスの兵たちの士気は一気に高まるだろう。君は、ここの全兵士を相手に戦えるかい?僕には無理だ。」
フォンダンの話しに、クライシスは黙ったまま首を振った。
「私ならやれる!」と、声を大にして言いたかったが、空気を読んで押し黙った。
「それが賢明だ。」
突然現れ、声をかけてきたのはハーブティーであった。
「出おったな。ハーブティー。」と、私はフォンダンの後ろに、すっと移動した。
「ハーブ、会えてよかった。それで、どうだった?国王とは話せたのかい?」
「いいや。話しどころか、門前払いさ。」
「そうか……他に打つ手は……。」
「そっちのほうは――クレアは、どうした?」
ハーブティーは周囲に声が漏れないよう小声で聞いた。
フォンダンはハーブティーに寄り、これまでの経緯を説明した。
私は二人の話が終わるのを、ボーッと待つ。
すると、私の元へクライシスが寄ってきて、
「あ、あの。俺、昔じいちゃんの所で、あなたが修業しているのを見ていたんです。それで、その姿を見て自分も修業を始めました。俺……あなたに憧れていたんです。」
クライシスは照れた様子で話した。
「な、なんという素直で良い子なのだ!よし、私が君を守ってやるぞ。」と、私は心に誓った。
その後、フォンダンとハーブティーが戻り、私たち四人は、その場にて立ち尽くしていた。
「これから、どうしたものか。」
ハーブティーの問いかけに、誰も答えられない。
その時、私は重要なことを思い出した。
そして皆を、その場に残し、急ぎ走った。
「どうしちゃったんだろう?」
フォンダンの、その問いかけにも二人は何も答えられなかった。
私は兵士たちの間を、すり抜けるように走り回り、そしてようやく見つけ出した。
私の目的である、その男の手を引き、ハーブティーたちの元へ戻ったのは一時間程してからであった。
「戻ってきた。」
クライシスの声に、フォンダンとハーブティーは振り返った。
「な、なんか凄く、厳つい人を連れてきてるんだけど、ハーブ知ってる?」
「いや知らん。」
私は、その男を皆の前へと押し出した。
「あなたは、もしかしてハーブティー殿でございませんか?」
「そうだが。あんたは?」
「やはり。私はアトラス国、将軍ゼルフィと申します。」
「ゼルフィといば大陸全土に知れ渡った、剣士ではないか。」
と、ハーブティーは驚いた表情を見せた。
「俺だって知ってるよ。すげー!」と、クライシス。
「それで、ゼルフィ将軍は彼と、お知り合いで?」と、フォンダン。
「ええ、古い付き合いでして。こやつは、私の愛弟子なのです。
」
「ええ!」と、フォンダンとクライシスは心底、驚いていた。
「まったく、お前には一体何人の師匠がいるんだ。」と、ハーブティーは呆れ顔だ。
「まあ、そう言わないであげてください。こやつは、そうやってしか生きてゆけなかったのですから。」
「それは一体どういう意味ですか?」と、フォンダンが訊ねた。
「知らないのですか?こやつは――」
私はゼルフィの肩に手をかけた。
「ハハハ、失敬。ちょっと喋りすぎましたな。あとは本人にでも聞いてください。それで本日は、どんな用件でこちらへ?」
ゼルフィへの説明はフォンダンが行った。
「――なるほど。やはりそうでしたか。」
「知っていたのですか?」
「いや、知らなかった。だが先ほどの国王様の言葉を聞いた、アトラスの兵士ならば誰でも不審に思うでしょう。違いますかな、ハーブティー殿。」
「ああ。モートラルは、あの様なことを言う人物では決してない。つまり、あれは国王本人ではない。もしくは身体を別の何かに乗っ取られ、操られている可能性が極めて高いと、言える。」
ハーブティーの言葉に、ゼルフィは力強く頷いてみせた。
「そこで、ゼルフィ殿に頼みがある。」
「ハーブティー殿の頼みは、王に会わせろ、ということですな。分かりました、お任せください。」
今度はハーブティーが力強く頷いた。
ゼルフィ将軍の、はからいで私たちは国王モートラルと対面することになった。
「どうぞ、中へ。」
ゼルフィの案内のもと、王の居る部屋へと足を踏み入れた。
玉座には、モートラル王が俯いたまま、座っていた。
「これは!」
フォンダンは、すぐにマディルでの、クレアとの姿を重ね合わせた。
「おい、貴様。何者だ!」
ハーブティーの問いかけに、モートラル王からの反応はなかった。
次の瞬間、突然クライシスが国王に向け矢を放った。
「おい、何を!」
ゼルフィは焦った。
しかし、その矢は国王が素手で弾き飛ばした。
そして、ゆっくりと顔を上げた。
モートラル国王の眼球は、底知れぬ闇のように、真っ黒であった。
「なに!」
驚いたのはゼルフィと、矢を放ったクライシスであった。
フォンダンとハーブティー、それに私は確信した。
やはりモートラル国王はクレアと同じく操られている、と。
モートラル国王は立ち上がり、丸腰のまま突進してきた。
「ここは僕がやる。経験者だからね。」
そう言ってフォンダンは、
「邪悪なる者を、その力で祓いたまえ――プリフケーションソード!」
フォンダンの剣が唸りを上げ、モートラルを斬った。
するとクレアの時、同様モートラルの眼球から黒みが消えた。
そして、倒れかけた国王モートラルをゼルフィが受け止める。
その、モートラルの後ろには不気味に蠢く黒い影。
フォンダンは、
「我が剣に炎を灯せ――フレームソード!」と、唱えて、己の剣に炎を宿して攻撃した。
黒い影は真っ二つになり、激しく燃えた。
「ふっふっふっ。なかなかやりますね、人間たちよ。」と、 炎の中から声がした。
そして、燃え盛る炎の中から現れたのは、一人の男だった。
見た限りでは普通の人間の優男である。
しかし、よく見ると男の口の両端には、頬まで伸びる痛々しい傷
……まるで、口が裂けているようだ。
「どうも。メフィスと申します。」
「おのれ、魔王か!」と、 ゼルフィはモートラルを抱えたまま、叫んだ。
「魔王!?ハハハ。」
「なにがおかしい!」
「いや、失礼。魔王などという呼び名は、あなたたち人間が付けたものだ。私らの概念に、そういったものはありませんから。ですからこれまで、あなた方が倒してきたイカルスやバロールを魔王などと呼び、恐れていた人間たちが、私には滑稽で仕方なかったんですよ。」
「なんにせよ、今回の騒動の原因は全て、お前だということで間違いないのだな。」
ハーブティーはメフィスに詰め寄った。
「ええ、もちろん。その通りですよ。」
メフィスは、まるでゲーム感覚で飄々としていた。
私は――いや、私たちは頭にきた。
「人間を玩具扱いしやがって。私が、ぶん殴ってやる」と、私は前に出ようとした。
しかし、それを遮るように、
「まずは、僕がやる。人間を敵に回したことを後悔させなくちゃね。」
私には分かった。
フォンダンさんが本気で怒っていることを。
「我が剣に宿りたまえ、光の神よ――レイブレイド!」
神々しい光に包まれた、フォンダンの剣は眩いばかりの光を放った。
「さあ、いくよ。悪魔め!」
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